日別アーカイブ: 2021年10月13日

新宿慕情 p.136-137 某月某夜ふたりはラブホテルに

新宿慕情 p.136-137 店の電話番号と女の名前がわかれば〈初会〉は十分。二回目で一万円ほど。これで〈ウラを返して〉、三回目ともなれば、もう〈馴染み〉だから二、三万…
新宿慕情 p.136-137 店の電話番号と女の名前がわかれば〈初会〉は十分。二回目で一万円ほど。これで〈ウラを返して〉、三回目ともなれば、もう〈馴染み〉だから二、三万…

あらお兄さん!

某年某月某夜——一パイ気嫌で、歌舞伎町から、社の方向へと歩いてくると、とある〝呼びこみバー〟の子が、「アラ、お兄さん!」と、声をかけてくるではないか。
そのハスキーな声には、ゾクゾクするような、ナニカがあった。振り向くと、やや大柄ながら夜目にも美しい女だった。吸い寄せられるように、そちらに戻っていった。

胸もあらわなドレスから、こぼれんばかりの豊満なチチブサがのぞいている。

「いくら使えばいいンだネ?」

「五千円でいいわ。……まだ、今夜はお茶っ引きなの。ネ、お願いだから……」

「五千円? それじゃ、キミへのチップは、別に千円。それでいいネ」

呼びこみバーや、キャッチバーの場合には、最初に、キチンと話を決めておかねば、どんなことになるか、判ったものではない。

こうして、私は、そのハスキー・ホーマンの客として、階段を上がっていった。

やっとオトしたが

薄暗い店内。私のボックスには、さらにふたりの女がきた。席につくと同時に、私は、ヘルプの娘に千円ずつ。ハスキー・ホーマンに二千円、それに、勘定の五千円。みんなの見ている前で、パッパッと渡してしまった。

すでに、私にはアルコールの下地ができていた。ビールが二本出た。おまじないのようなオツマミ。

「ねえン……」

二本目のビールが、カラになりかけると、彼女は、追加しようとして、ハスキーなハナ声を出して、私の肩にもたれかかってきた。

「イヤ、まだ仕事があるんだ。男ッて、引き際が大切なのサ」

私は、コップをグイとあおって席を立った。店の電話番号と、女の名前さえわかれば〈初会〉は、これで十分なのだ。

二回目で一万円ほど。これで〈ウラを返し て〉、三回目ともなれば、もう〈馴染み〉だから気前良く、二、三万を使った。

そして、某月某夜……。ふたりは、ラブ・ホテルのベッドのなかにいた……。

風呂に入ってきたというのにこのハスキー・ホーマンは、またパンティをはいてきている。

「だってェ、私を愛してくれる男の人は、みんな、私のことを知ると、去っていってしまうんだモン。アタシ、このままでいいわ……」

申しわけ程度の、小さな布切れを下につけただけの、彼女の身体は、そのチチブサのように

白く、丸く、美しく輝いて、ステキであったが、どうしても優しく拒んで、その布切れを取ろうとしない。

(写真キャプション)800万円もかかるという〝膣整形〟の初体験者