重要なものでは、会社設立の時の、政財界人たちの、賛同の署名簿があるし、麻生議員は軽くイナされてしまったが、福田蔵相は『承諾した事実がない』というのにもかかわらず、同氏
の会長就任承諾書まである。署名捺印がしてある。
今は、不渡り手形を集めて、これを買取らせている。値段は、額面以上だと思うが、ハッキリ判らない。彼らは、命ぜられたテーマの任務により、その出来高払いである。
ミシン会社に勤めていたのも、月掛け五百円という、ミシンの販売予約制度がその後の物価上昇やら、モデル・チェンジで、現実にミシンを受けとる時には、何千円もまとめて払わねばならないという、詐欺的な販売制度をとっているのでその実態を調べるため、モグリこんでいたのだ。そして、もう任務が終ったのでそこは辞めて、今はある土地会社に入っている。このような問題会社の選定は、組織がやる。彼らは命令で動くだけにすぎない。
その問題会社が、どの程度、新聞、雑誌や、捜査当局にマークされているかを調べるためには、まず、ある程度の調査結果にもとづいて新聞社の社会部あてに、投書をする。すると、必らず、警視庁の記者が窓口として現われるので、その記者と接触して、情報提供を装って、実際には、捜査当局の動きをつかむ。その動きを見ながら、金をユスる。もちろん合法的にである。
そして、いよいよ、事件として、問題が表面化しそうだと判ると、相手方も、どうせ事件化するのならと、ケツをまくって金を出さなくなるので、その最後のチャンスの判断をして、その時にできるだけ多額の金を取るようにする。
全日本流通機構のケースだって、福田一代議士にとっては、政治生命にかかわるほどの材料がある。しかし、六月ごろで、打切りにしなければならない。客観状勢がそうなってきているので、近く手に入る巨額の不渡り手形で、終わりにする予定だ——。
Yは、私の取材結果を知りたくて、幾度か会い、雑談しているうちに、ほぼこのような話をもらしたのであった。彼の話のうち、不渡り手形を買い取らせている(相手を明示しなかったが、話の前後から、それは、福田一議員であった)という件は、福田一議員が麻生議員にいった、「ユスられて困っている。この金は不渡り手形の買い戻し代金ではなく、見舞金だ」というのと、符節するではないか。
官房長官がアキレタ早わざ
流通機構社の、パンフレットには「代表取締役福田弘」と、一名しか名前が出ていないが、登記とう本にある、もう一人の代表取締役、金沢政男という人物は、大阪府警の、捜査四課、捜査二課の調べによると、スター商会という、手形のサルべージ屋(パクられた手形をサルべージしてくる商売)の社長である。つまり、手形ブローカーである。サルべージ屋とはいっても、これはパクリ屋と表裏一体で、パクリ屋がパクった手形を、サルべージ屋が回収してきて、その料金を折半するのだから、一ツ穴のムジナである。