▶第一五号(42・12・1付)
一面「〝社党の先生〟不当な蓄財」 佐野進議員を追跡調査 ◆「誤報論」⑧
二面「社党いまや〝総評党〟」 党人へ迫害しきり 論客・岡田宗司氏悲痛な上申書 あわれオシドリ夫婦、加藤シヅエさん関西落ち、戸叶さん離党覚悟の夫君応援
▶第一六号、第一七号欠号
▶第一五号(42・12・1付)
一面「〝社党の先生〟不当な蓄財」 佐野進議員を追跡調査 ◆「誤報論」⑧
二面「社党いまや〝総評党〟」 党人へ迫害しきり 論客・岡田宗司氏悲痛な上申書 あわれオシドリ夫婦、加藤シヅエさん関西落ち、戸叶さん離党覚悟の夫君応援
▶第一六号、第一七号欠号
▶第一四号(42・11・21付)
一面「乱脈・東京相互 これでも銀行か 監督たりぬ大蔵省」 権力闘争と放漫経営 ◆〈女ひとり〉花山院慈薫尼 ◆「誤報論」⑦
二面「写真でみる正論新聞10大ニュース42年」
▶第一三号(42・11・11付)
一面「警視庁は真実を叫ぶべきだ」 〝六人の刑事〟なぜ泣き寝入り、朝日と〝取り引き〟? 誤報究明できるのに ◆「圧力様のお通りだ」 在外補償の分捕りに見る 票が出なきゃ金が出る 国会議員二百コマネズミ
二面「地方版見本」
▶第一二号(42・11・1付)
一面<ルポルタージュ>〝快適な生活〟理想と現実(東京都のゴミとし尿を追って)三田一夫
二面「地方版見本」
▶第八号(42・9・21付)
一面「はっきりしようぜ、社会党」 田中議員—保守党議員顔負け、マンション貸す〝事業家〟 山口議員—的外れ〝変節〟の非難「私も変わったが党も変わった」 ◆「誤報論」⑥
二面「本紙に地方版を新設」 あなたも発言できる、自分の新聞を持ちませんか ◆正論新聞はこう評価されている①三大紙が「祝創刊」②専門家筋も注目「地方版見本」
▶第九号、第一〇号、第一一号欠号
▶第七号(42・9・1/11合併号)
一面「家庭にしつけをとりもどそう」 焼殺事件・これが真相 ◆「若者は退歩している」会田雄次
二面「腐ってない日本の青年」 フーテン族ほんの一握り・恥部誇張のマスコミ ◆記事削除とお詫び
▶第六号(42・8・21付)
一面「きたない花椿・恐喝に一億七千五百万円」 被害届けも出さずひたかくし ◆「誤報論」⑤ ◆〈女ひとり〉平瀬文子さん
二面「民放に〝言論統制の先兵〟」 政府のカネでTVドラマ ◆〈虚人実録〉林健太郎氏
▶第五号(42・8・11付)
一面「中央観光・疑獄事件に発展か」 二億円以上が蒸発 〝黒い噂〟札つきの顔ぶれ ◆「誤報論」④ ◆〈女ひとり〉安藤りかさん
二面「父ちゃんを返せ・三池の主婦を動かしたもの」 〝夜がこわい後遺症〟 ◆〈虚人実録〉池田大作氏
▶第四号(42・8・1付)
一面「日本人にとって祖国とは何か」 内河事件に冷たい政府・野党 ◆真実を探る番組「シネマ・ベリティ」 ◆〈女ひとり〉重山規子さん
二面「電発・この疑惑の10年」 ウズ巻く利権と悪徳 「政治家と電発はグル」 ◆「誤報論」③
▶第三号(42・2・1付)
一面「われわれの税金は誰が使ったのか!」 談合・政治家暗躍の場 ◆デヴィさん入籍に疑惑
二面「辻政信氏の陰の演出者・〝五重スパイ〟と呼ばれた朝枝繁春氏」 利権は追わぬ〝黒幕〟 ◆「誤報論」➁
▶第二号(42・1・21付)
一面「かかる議員に一票を与えしは誰か」 松葉会と深い重政議員 ◆ある国際売春事件
二面「警察と民衆」 受難続きのホステス ◆「誤報論」①
▶第一号(42・1・1付)
一面「葉たばこ輸入にも〝黒い霧〟」 〝公社OB会社が独占〟 この現状を打破できないか ◆三人だけの住宅商社=問題の七社を尋ねて
二面「防衛庁が機密防衛作戦」 火をつけた三矢・怪文書事件 ◆〝黒い霧〟周辺の人言行録
今になって悩んでいる多数の人たちに、けっ起の決意を力づけてくれるだろう。
影なき男の恐怖におびえる、不幸な同胞たちよ。勇気を出して、一切を打ち明けなさい。ここは自由と平和の日本だ!
だが、一方にはこのような人たちを売国奴と呼び、自らは愛国者を気取って、欣然と〝幻兵団〟の一味として努力を続けている人たちのいることに注意しなければいけない。
スパイの手先となって、自由と平和の国日本に、新戦争を放火しようとする〝幻兵団〟!
国民は彼らの全貌を知り、彼らの活動を監視し、彼らの放火を未然に防がねばならない。
(終り)
その第二は、たとえば炭坑のチェーン・コンベヤが故障を起こせば、モーターを分解して完全修理せずに、力まかせにチェーンを引っ張って無理やり動かしてしまう、といったような原始的なソ連的方式から、一万人のスパイをつくっておけば、裏切り、死亡その他の事故で、一万人が百人に減っても、その最後までソ連へ忠誠を誓う百人に期待するということだ。つまりスパイの目減りを見越していたともいえよう。だからソ連にとっては、裏切りのスパイ達によって、その組織のある程度が暴露されても、十人でも百人でも〝本物〟が残ればよい、と考えているに違いない。
〝スパイ〟を拒否しても、殺されもせずに無事引揚げて、静かに平和な幸福につつまれて生活している人がいるということは、〝生きて帰る〟ために誓約書を書いてしまっても、引揚げてきた
事件がまだ現在進行中であるため、公表を許されなかった資料もあり、またやむなく伏せ字や仮名を用いなければならなかったものもあったが、以上述べたところで〝幻兵団〟とはいかなるものかということは、おおむね分かっていただけたことであろう。
このようにして組織された〝幻兵団〟にはいかにもロシア的な——ソ連的というよりは大まかで、単純で、原始的な〝ロシア〟という感じがする——二つの特徴が見出される。
その一つは、現ソ連政権のスパイ恐怖政治に対する絶対的なソ連人の服従心、すなわちソ連人のもつ〝NKへの死の恐怖〟から判断して、銃口の前で誓約書を書かせたことによって、あらゆる種類の日本人に、いつまでも脅迫の効果があると信じて、裏切りを予想しなかったことである。
働大隊にいる時のこと、NKの少尉と通訳の少尉に呼び出され、ドアに鍵をかけて履歴を書かされたのち、このことを一切口外しないと一札をとられて帰された。第二回は一週間後、ソ連と日本の政治形態を比較して政見を書け、と強いられ、第三回はさらに三週間後に呼び出された。
『あなたはこの誓約書にサインして私達の仕事に協力して下さい』
『私は日本人を売ってまで帰りたくない』
『妻子がまっているのに帰りたくないか』
『嫌だ、何回いわれても人を裏切るようなことをしてまで帰りたくない。絶対に嫌だ』
少尉は腰から拳銃を取り出すと私の胸につきつけた。私は叫んだ。
『撃てるなら撃て!』
『………』
少尉の眼は怒りにもえて無言だ。
『………』
『日本人捕虜を射殺してよいという、ソ連の法律があるのか!』
少尉は再び銃口をあげた。二人の息詰まるようなニラミ合いが数分も続いたのち、少尉は拳銃を腰へもどしてしまった。
あとがき
『大馬鹿野郎! 今に思い知らせてやるゾ!』
そのすさまじい権幕に、さすがの私も脇の下に冷汗をビッショリかいていた。
だが、拳銃や営倉の脅迫もなく、この二回にわたる調査に関して、絶対に他言をしないという誓約を一札入れさせられたのだった。
このままでは済むはずがないと、もんもんの日を送るうち、果たして一カ月後の七月末に転属命令が出て、第二三分所に移り、管内から集められた逃亡未遂者と共に九月二十三日夜貨車に積まれ、厳重な監視のもとに出発した。一月ほどの苦しい旅行ののち、到着したのは中央アジアの地の果てともいうべき砂漠地帯、デスメズガンの国際懲罰収容所だった。
ここには、ドイツ、ハンガリー、ルーマニア、イタリア、日本、中国、朝鮮、蒙古、白系露人など十四カ国人の、主として逃亡者や反ソ分子が、重労働と栄養失調にあえぎながら働いていたのだった。…私は懲罰の期間もすぎたのか、のちにカラカンダに移り、身体虚弱者としてついに帰国することが叶えられた。
㊁村上富雄氏の場合(談話)
(岩手県気仙郡矢作村、元少尉、ウォロシロフより二十三年四月復員)
二十二年九月十六日、ウォロシロフ五六三労
治部員の上級中尉からスパイたることを強要された。
第一回は収容所事務室で鍵をかけられ、調査尋問ののち誓約書をかけと迫られたが、『日本人の不利になる事は御免だ』
と断ってしまった。
それから約二週間して、収容所本部(街の中央にある)から自動車で呼び出しがあり、収容所付政治部将校に伴われて出頭した。
調査事項は前と同じで、日本語のうまい通訳を通じ、本部の政治部主任らしい少佐に、あるいはおどし、あるいは利をもって誘われた。
『君がこの誓約に署名したならば、帰国も一番先にしてやるし、君のためにも非常によい事がある』
『嫌だ』
『君は強情を張るけれども、一晩営倉に入るとすぐ目覚めるのだ。今のうちに腰を折った方が身のためだよ』
『嫌だ』
『もし君があくまで拒絶すれば、君の階級は剥奪されて、そして一般兵と一緒に石炭積みをしなければならなくなるだろう』
『それもやむを得ない、ともかく日本人を売ることは、俺にはできない』
少佐は怒りの表情もものすごく怒鳴った。