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編集長ひとり語り第43回 よど号田中のハレンチ!

編集長ひとり語り第43回 よど号田中のハレンチ! 平成12年(2000)7月1日 画像は三田和夫67歳(卒業50年の旅1989.02.11)
編集長ひとり語り第43回 よど号田中のハレンチ! 平成12年(2000)7月1日 画像は三田和夫67歳(卒業50年の旅1989.02.11)

■□■よど号田中のハレンチ!■□■第43回■□■ 平成12年7月1日

よど号事件の犯人のひとり、田中が日本に送還されてきた。顔を隠すでもなく堂々と(ある意味威張って)報道写真におさまり“殉教者“気取りである。私がその場にいたら、ツバを吐きかけてやりたいほどである。

我が国最初のハイジャック事件だった。金浦空港で乗客と引き換えに、当時の運輸政務次官・山村新次郎議員を人質とし、北朝鮮へと飛ばさせた。たしかに、129人の乗客乗員のすべてを殺傷することなく、ハイジャックの目的を達したのだった。が、この事件が引き金となって、次々とハイジャックを引き起こし、「超法規的措置」などという新語を生み、刑務所からの仲間の奪取や、何億円だったか忘れたが、巨額の税金を奪ったりといった、事件の幕開けとなった。

「オレは政治犯だ」「一切黙秘する」といった言動は、日本政府を否定し、革命の尖兵たらんとした赤軍派として、おのれの信念をまげず、さらに活動をつづけようという意思を示すものであろう。

もし、そうであろうならば、私としては、田中のこの“不遜”な態度も、よしとせざるを得ない。

だが、赤軍派を名乗るテロリストたちが、日本政府から奪った金で、銃器を買い、活動資金として、全世界でどのような「殺戮」を行ったか。ダッカ事件然り。何十人、何百人もの人々を殺したのである。

つまり、赤軍派の連中は、非合法生活者なのである。合法生活者(遵法市民というべきか)とは、まったく別の次元で生きており、生きてきたのである。

結婚し、子供を産みその子の成長を慈しみ、かつ期待する——これは、法律を遵守する、遵法市民の当然の権利である。田中にはその権利は主張できない。

北朝鮮に亡命した、よど号事件の犯人たちは日本女性と結婚(合法?)し、子供をもうけていた。小市民的幸福に浸っていたのだ。そして、その子供たちが大きくなってきて、これまでに「5歳から22歳の子供たち20人のうち、18人が日本国籍を取得」(東京新聞)したという。この記事の見出しには、「年内にも妻子の帰国を、支援団体『北朝鮮組の先鞭に』」とある。

東京新聞だけではない。各日刊紙の記事には、みな望郷の思いにかられている、と報道されている——だから、田中の顔にツバを吐きかけてやりたいのである。

妻子のしあわせを願う、小市民的希望があるならば、「よど号事件は若気のあやまちだった」と自己批判し、日本政府の捜査に協力し、すべてを自供すべきである。

妻子の幸せだけは、遵法市民の立場でなどと、甘ったれるナ! 首尾一貫しろ! 子供を産んだ時点で、赤軍派からの転向がはじまったのだゾ。もっと自分に厳しくしろ! 平成12年7月1日