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雑誌『キング』p.138下段 幻兵団の全貌 彼らの活動を監視

雑誌『キング』昭和25年5月号 p.138 下段
雑誌『キング』昭和25年5月号 p.138 下段

今になって悩んでいる多数の人たちに、けっ起の決意を力づけてくれるだろう。

影なき男の恐怖におびえる、不幸な同胞たちよ。勇気を出して、一切を打ち明けなさい。ここは自由と平和の日本だ!

だが、一方にはこのような人たちを売国奴と呼び、自らは愛国者を気取って、欣然と〝幻兵団〟の一味として努力を続けている人たちのいることに注意しなければいけない。

スパイの手先となって、自由と平和の国日本に、新戦争を放火しようとする〝幻兵団〟!

国民は彼らの全貌を知り、彼らの活動を監視し、彼らの放火を未然に防がねばならない。

(終り)   

雑誌『キング』p.136下段 幻兵団の全貌 吉田中佐が真相を

雑誌『キング』昭和25年5月号 p.136 下段
雑誌『キング』昭和25年5月号 p.136 下段

この人は二十三年十二月に帰還して、いま東北の小都市で、ささやかなおでんやをやっている。A、B両収容所の総隊本部長、元駐米武官、花井京之助元大佐の補佐官として、エラブカ将校収容所の全般の状況を知っている、この吉田氏はいう。『まだ残留している人が帰ったら、収容所の裏面史と一緒に、〝幻兵団〟の真相を話しましょう。だが、今は何も聞かないで下さい』口をつぐんだ吉田氏は、もはや何も答えようとしない。

ハバロフスクの日本新聞系の〝幻兵団〟と並んで、エラブカ〝幻兵団〟が、事件の今後に演ずる役割は重要なものに違いない。

図版・エラブカ将校収容所の管理組織
図版・エラブカ民主グループの活動組織

三、魂を売らなかった男

銃口の前で誓約書に署名したばっかりに、自由と平和のこの日本で、死の恐怖に煩悶している数千の人たちのために、つぎの二つの実例をあげよう。

㊀杉田慶三氏の場合(談話)

(岩手県気仙郡大船渡町、元主計少尉、ハバロフスクより二十三年十月復員)

私はハバロフスク第三〇分所の大隊附給養係をしていたが、二十一年六月末、同収容所付政