黒幕・政商たち p.118-119 富樫の単独犯と認定し逮捕

黒幕・政商たち p.118-119 「電発本社の捜索からは、検事として興味ある書類を入手できなかった。池原ダム事件は単発モノで、これで終りだ」(難藤検事の話)
黒幕・政商たち p.118-119 「電発本社の捜索からは、検事として興味ある書類を入手できなかった。池原ダム事件は単発モノで、これで終りだ」(難藤検事の話)

同協組はこの補償交渉を同村三尾真一村長に委任して電発との間に、昭和四十年十二月に一億一千三百万円で契約が成立した。

ところが、三尾村長と勝平敬一組合長の二人が共謀して、この補償金のうちから、当時、現場の用地課長であった富樫に四十万円、全国内水面漁業組合連合会長の重政誠之代議士に百万円、重政氏に紹介されて、交渉に当ってもらった、愛知県選出の上村千一郎代議士に五十万円

をそれぞれ勝手に支払った。

組合員が不明朗な経理の公開要求をしても両人は応じないので、同村監査委員ら十三氏が、両氏を背任容疑で、さる三月三日に告発したというもの。

告発を受理した奈良地検は、富田検事正以下六人という小世帯ながら、難藤、九谷両検事を事件専任にあて、鋭意内偵に努力した。この両検事と指揮官の小島次席らは〝奈良天誅組〟と呼ばれるほどの正義感にもえた捜査のヴェテランだが、約十名ほどの電発幹部を参考人として調べた結果、富樫の単独犯と認定して逮捕したもの。

重政代議士の容疑は「世話料としてうけた百万円を内水面連合会の帳簿に記入」しており、上林代議士の容疑は「弁護士の弁護料」とされて、捜査を打切らざるを得なかった、という。

「富樫は四十万円の収賄だけで起訴した。電発本社の捜索からは、検事として興味ある書類を入手できなかった。不正があれば、どこまでも追求する。残念ながら、池原ダム事件は単発モノで、これで終りだ」(難藤検事の話)

と、難藤検事は語っている。

第7章 幻のサイエンス・ランド

昭和四十二年。月刊現代七月号=日本万国博の知恵袋・小谷正一(梶山季之)。日本のディズニーといわれる、当代きってのアイデアマン、井上靖氏の出世作「闘牛」のモデルとしても知られる小谷氏は、現代最高のアイデアマンでもある。日本万国博では各方面からその行動が注目されている。