黒幕・政商たち p.236-237 「社会正義」の最後のトリデ

黒幕・政商たち p.236-237 「検察の押収資料が日共機関紙アカハタに流れ、検察最高会議の内容が洩れるのは、重大問題だ」という、同氏の主張は「正論」である。
黒幕・政商たち p.236-237 「検察の押収資料が日共機関紙アカハタに流れ、検察最高会議の内容が洩れるのは、重大問題だ」という、同氏の主張は「正論」である。

一方は、会食事件の事前打ち合わせが、総長の在宅起訴裁決につながるといい、他方は、河井検事異動への反発捜査の不純さに、総長の熟慮になったという。司法の独立とはいっても、それは裁判所のことであり、検察官はやはり行政官なのである。この二説とも、いずれも虚妄でもあり、また真実でもあろうか。〝総長のみが知る〟である。その総長が「公正を曲げていない」という。信ずる以外はあるまい。

事実、社会党の大倉議員の嫌疑進行の段取りに比して、池田議員は幕切れ近く突然の登場であり、久保供述(池田氏によれば、久保が福島から前に池田宛と称して百万円とったのを、横領で追起訴するゾと責めて、引き換えに供述させた=週刊現代七月十一日号)問題も、後味の悪いことは確かである。

池田代議士の容疑は、いずれ公判で明らかにされるのだからさておけば、「検察の押収資料が日共機関紙アカハタに流れ、検察最高会議の内容が洩れるのは、重大問題だ」という、同氏の主張は「正論」である。

はてさて、正義とはなんだろうか。

力のある奴、金のある奴、権力をもつ奴、ズウズウしい奴、ハレンチな奴——それが、「社会正義」ならば、私も考え直して、バスに乗るとしようか。イヤハヤ……

私たち市民が、「社会正義」の最後のトリデと恃んでいた「検察」が、馬場派にせよ、岸本

派にせよ、このていたらくでは、それこそ、ベ平連にならって、「検察に正義を!市民連合」でも、組織をせざるばなるまい。

〝法の正義〟は、いまや、集団の前で蹂躙されつつあるのではないか。〝力の正義〟と戦うために、私たちはどうしたらよいか。

一体、「社会正義」とはなんだ!