は、事実無根のことをあれほどデカデカと書けるものではないし、しかも〝幻兵団〟員だったという幾人かの人が、住所、氏名、年齢、経歴、職業などを明らかにして、その事実を語っているし、国会速記録などにいたるまで、幾つかの具体的データを掲げているからには、そんなこともあるのかもしれないといった程度の肯定が行われていたようである。
だが、紙面では数日おきに、次々と具体的事実を示して、熱心にその真実性を主張し、回を追って信ぴょう性を高めていった。やがて毎日新聞もまた〝ベゴワード白書〟なるテーマで、読売の〝幻兵団〟の記事を裏書きする、ベゴワード地区のスパイ事実を大きく報道した。国会もまたこれを重視して、国警本部、法務