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赤い広場ー霞ヶ関 p.204-205 今日限りで何もかもお終いです

赤い広場ー霞ヶ関 p.204-205 I wanted to know what caused this Masonic executive conflict. This is a serious problem. Now, on the earth divided into two worlds, liberalism, communism, and the ties that connect them are Jewish Freemasonry.
赤い広場ー霞ヶ関 p.204-205 I wanted to know what caused this Masonic executive conflict. This is a serious problem. Now, on the earth divided into two worlds, liberalism, communism, and the ties that connect them are Jewish Freemasonry.

Q氏は米軍の軍曹で、現地除隊をして日本に住みついてから、メーソンに入り異例の出世で

三十二階級まで上っていった人物だ。しかし、いろいろと問題の多い人で、彼の出世を快く思わぬ他の幹部が、彼を蹴落すための資料に違いない。

しかも、東京租界はクラブ・マンダリンの国際バクチでお馴染みの、マニラのギャンブル・ボス、テッド・ルーイン氏の一の子分、モーリス・リプトン氏もメーソンで、このマソニック・ビルに住んでいたではないか。

私はこのメーソンの幹部の対立が、何に原因するのか知りたかった。重大な問題であるからだ。今、自由、共産と二つの世界に分れた地球上で、思想も政治も、国境も国籍も越えて結ぶ紐帯は、ユダヤのフリー・メーソンであるからだ。まず第一報として、渋谷のフォーリン・ビジネスメンズ・クラブの国際バクチの、公判の成行にひっかけて、Q氏行状記の記事を書いたのだった。

続いて、この背後にあるメーソン幹部の対立を取上げようとして、忙しく働らいていたある日、珍らしく彼女から電話があった。夕食を御一緒にしたい、という話だった。願ったり、叶ったりである。

その夕べ、私は彼女と二人で銀座のある地下室の、高級レストランで、たのしい夕食をとっていた。

彼女の招待だから、食事が終ったら、別の場所へ誘って、ゆっくり話をきこうと考えながら、それでも、

『Q氏の記事、みた?』

と、親し気な口調でたずねたりした。

デザートが終り、コーヒーをほして、サテと立上った。御馳走様と礼をのべて、誘ひの言葉を続けようとしたとき、彼女は、犯し難いほど、重々しい気品にみちた表情に変った。

『やっぱり、私たちは、お友だちになれませんでしたワ。……ネ、今日限りで、何もかもお終いです』

『エ? だって……』

『何にも仰言らないで…。貴方に何も彼もお話してあげたい。貴方のその喉元まで、何故、何故、何故という声が、いっぱいに詰っているのが、眼に見えるのです……。

しかし、私にはそれができません。そして、私も、貴方とお別れしなければなりません。新聞記者でありすぎる貴方と、メーソンの幹部のことを知りすぎている私とは、お友だちでいることさえ、おたがいにとって不幸なのです』

私は立ちすくんだまま、彼女の差出した別れの握手に応えていた。

『それから、Q氏のことはもう不用です。御手数をかけました。……では、サヨウナラ』