スパゲティを食べるなら、丸井横通りのミラノ。不愛想なオッサンが目障りだけど、やはりス
パゲティの専門店だけあって息が長い。
ここでは、いつも、ポークピカタを食べる。旨い。量もあって、よろしい。
決してひとりではいかない店というのもある。つまり、連れがいて、食べたいものの意見が合わない時は、三越のウラ、甲州街道に近いコメットだ。
ここは、和洋料理をともに出す。私の主義からは、キライなハズなのだが、コックと板前と〝才色兼備〟がいるものだから、とんかつもよければ、酢の物、茶わんむしも良し、といった感じなのだ。……残念ながら。
大衆てんぷらが食べたい時は、三越ウラといえば、船橋屋、つな八などを推す人が多いが、あれらは、やはり、値段に比べて味が落ちる。それよりも、三光町と三光町東の、ふたつの交差点にはさまれた、玄海の向かい側にある天春だ。
料理としての天ぷらではなくて、メシのオカズの天ぷら、と考えていただきたい。
ギョーザなら、もう、四、五年も行っていないので、自信にかけるウラミはあるが、やはり石の家。甲州街道寄り、靖国通り寄りのいずれも、家内と良く行ったものだった。
ギョーザとチャーメンと、ゴハンをひとつ。それに、ムースーロー(きくらげと肉とを、玉子で炒めとじしたもの)をオカズに、仲良く半分ずつ食べる。
この石の家のムースーローほどうまいムースーローには、まだ、出会ったことがない。
肉、きくらげ、玉子の、量の比率がドンピタなのであろう。炒めものは、火力、油、ナベの使
いこみ度、そして、材料の混合率でキマる、のだから……。
ケーキにだんごも
で、対象が飛ぶけれども、ケーキなら、伊勢丹横の小鍛冶である。
これまた、新宿では、小鍛冶のケーキ以上に美味いケーキには、まだ、対面していない。
だが、この店のカンバンが早いので、夜遅く、ケーキを食べたい時は、やむなく、区役所通りの、コージーコーナーだ。だが、こことて、〝次善〟とはいかず、二、三がなくて〝四番〟ぐらいだろうか。
そして、ついでに、東映横の追分だんご。だんごなら、ここに限る。アンコなどの種類やら甘さやら、目先を変えて、いろいろ出してはいるが、ともかくこの店のは、ダンゴそのものが上等だから。
むかしは、この店の幕之内弁当も良かった。新宿で、幕之内をたべたくなると(もっとも、幕之内弁当を出している店が少ないみたい)、必ず、追分だんごまできたものだが、二年ほど前に値上げしてからサッパリ。
材料もさることながら、味もダメで、値段と味とのバランスがくずれてしまった。
そこで、フト思いついて、伊勢丹の食堂へ行って、幕之内を発注してみたが、やはり、幻滅感を味わっただけだった。