日別アーカイブ: 2020年8月9日

黒幕・政商たち p.216-217 大熊検事と児玉氏が〝情報交換〟

黒幕・政商たち p.216-217 児玉氏が河井次席検事と親しい——という〝噂〟は田中彰治〝黒い霧〟事件以後、特に流れはじめた。吹原、森脇、大橋富重、東京大証の各事件など
黒幕・政商たち p.216-217 児玉氏が河井次席検事と親しい——という〝噂〟は田中彰治〝黒い霧〟事件以後、特に流れはじめた。吹原、森脇、大橋富重、東京大証の各事件など

事実、伊藤忠商事ばかりが〝悪役〟にされて、防衛庁事件は終わった。今秋のFX以降、伊藤忠商事は、防衛庁特需に肩身がせまくなるのは当然だし、現役将官の自殺者まで出ているのだから、伊藤忠は〝商戦〟に参加できなくなろう。機密ろうえい事件の事実関係はさておき、伊藤忠の脱落で利益を得る者は誰なのか? どこの商社なのか?

大熊検事が、昨秋から手がけていた情報捜査となると、そのネタモトは誰か? ということ

になってくる。話はさかのぼって、ロッキード・グラマン空中戦以来の、登場人物たちを調べねばならない、前記の司法記者クラブ員たちの〝解説〟も、その新聞社、その記者個人によって異なり、あくまで〝風説〟にすぎないのであるが、八月七日の公判廷での猿芝居をみると、〝児玉と河井次席検事の組んだデッチ上げ〟証言が事前に大熊検事らに了解されていたことは間違いない。

大熊検事と児玉氏とが、電話連絡で、〝情報交換〟をしていると断言する記者もいる。しかし、その記者はつけ加える。「大熊だって、児玉をヤルといってるのだから、〝情報交換〟といっても、証拠関係は別だろう。検事なんて、事件のためには誰だって利用するし、誰とでも手を組むからネ。あんただって、司法クラブにいたから知ってるだろ?」

この言葉は事実である。児玉証人脅迫で、保釈取り消しを検討されている森脇被告こそがこの〝猿芝居〟でオドカされている。保釈金は三億三千万円、現金一億に残りは保証書だが、保釈取り消しとなれば、これが没収されてしまう。今の彼には大きな金であろう。

その記者は、大熊検事と児玉証人との〝じっこん〟ぶりを説明したあとで、森脇被告の転変を目して〝殷鑑遠からず〟と、「検察の公正」について敷衍するのであった。

児玉氏が河井次席検事と親しい——という〝噂〟は田中彰治〝黒い霧〟事件以後、特に流れはじめた。吹原、森脇、大橋富重、東京大証の各事件など、ここ一連の特捜部事件を眺めてみ

ると、児玉氏は〝重要な関係者〟でありながら、〝被疑者〟として登場したことは一度もない。ただ、大阪の住宅公団光明池事件の時は、大阪府警の捜査四課から出張してきた捜査官に、「被疑者調書」を取られたという、〝伝説〟がある。この時も、呼び出しを受けた児玉氏は、警視庁の捜査四課長室に現われて雑談をし、地下の調べ室に待機していた府警係官を課長室に呼びつけてタイミングを狂わせたといわれるほどだから、果たして、「参考人調書」か「被疑者調書」かは、つまびらかではない。

〝イケショウ〟の挑戦状

このように、現象面で児玉氏が摘発されないのだから、世評は〝河井検事と組んでる〟という噂を、根強く信じこませていった。吹原事件でも、特捜部の若手検事には「児玉捕るべし」を主張する者がおり、日通事件では、「果たして児玉までゆくであろうか」という、〝風聞〟が流れていたことは事実だ。

そのようなところへ、この八月七日の児玉証言があったのだから、その内容は極めて〝奇異の感〟をもって受け取られたハズである。新聞記事では、森脇被告本人の談話の続報も、解説も出なかった。朝日だけ、朴弁護人の談話として、「児玉発言は一方的。今後証人を立ててでも、児玉発言がまちがいであることを立証してゆく。偽証工作ではない」旨を伝えた。

すると、「児玉と河井のデッチあげ説は森脇のデマ」というのも否定していることだ。

黒幕・政商たち p.218-219 O記者が河井検事の部屋に出入り

黒幕・政商たち p.218-219 検察内部の派閥抗争——岸本派の井本総長とその支持者池田代議士を葬らんとする、馬場派の河井次席検事と特捜部〝有志検事〟らの権力ろう断をさすものだ。
黒幕・政商たち p.218-219 検察内部の派閥抗争——岸本派の井本総長とその支持者池田代議士を葬らんとする、馬場派の河井次席検事と特捜部〝有志検事〟らの権力ろう断をさすものだ。

すると、「児玉と河井のデッチあげ説は森脇のデマ」というのも否定していることだ。検事が、児玉証人や暴力団員たちと、事前に準備した発言中に、「児玉と河井の共謀説」があったことは、一体何を意味するのであろうか。つまり前述した〝風聞〟を公式な形で否定しようとしたのか? しかし、新聞記事で見る限り、〝共謀説〟は却って裏付けされた感じがするのは否めない。

この時期、八月八日に「勝利」誌九月号が街に出てきた。ひろげてみると、「わが輩のケンカはこれからだ。邪道におちたか検事さん、私は納得できない」と題する、イケショウこと池田正之輔議員の一文がある。題名通りに、検察への〝挑戦〟的な文章だ。もっとも、すでにさる七月一日付で、法務大臣、検事総長への公開質問状と声明書が出されている。これも、もちろん「検察権力内部に巣喰う宿弊と、司法界の浄化・改革」のためのものであった。

池田代議士のいう〝宿弊〟とは、もちろん総長会食事件の報道のさいの、池田談話の趣旨である、検察内部の派閥抗争——岸本派の井本総長とその支持者池田代議士を葬らんとする、馬場派の河井次席検事と特捜部〝有志検事〟らの権力ろう断をさすものだ。

さて、これらの現象を時間的につづり合わせてゆくと、池田代議士の挑戦——河井検事のウィークポイントの〝風聞〟抹殺協議——児玉発言——池田代議士の再挑戦(勝利誌)——「財界展望」誌の原稿締切、と、八月中旬を中心に動きが出ているのである。

そして、さらに注目すべき事実がある。

日時は記録されていないので、正確には判らぬが、八月十日前後ごろ、福田幹事長の市村秘書のもとに、某週刊誌記者なる人物が現われた。O記者は福田幹事長に対し、大要「幹事長の身辺のことが、何か記事になって出るらしい。ほっておいてもいいのですか」と、〝誘い水〟をかけた。身辺のことが何であるかも、何処の記事になるのかも、具体的な話はしていない。

それは困る、何とかしてくれ。それでは私が調べましょう——と進めば、〝金〟が動いても恐喝にはならない。だが、市村秘書は断わった。O記者の〝売りこみ〟にのらなかったのである。というのは、私の調べたところでは、市村秘書は福田幹事長に、以前にクギをさされていた。「Oの話には乗るなよ」と。

司法記者クラブの多くの記者が、このO記者が河井次席検事の部屋に、しばしば出入りしているのを目撃している。そればかりではない。同席したある記者は、河井検事が「まあ、しっかりやりなさい」と励ましの言葉をかけ、O記者が退室したあと、「あんなのを信頼しているワケではない」と、弁解がましくいうのを聞いてもいる。

O記者について、「勝利」誌十月号は、「三和銀行猪原専務の日新製鋼副社長転出」事件という、特集記事をまとめて、その中に匿名で〝恐喝〟者として登場させている。この猪原専務転出の背景について、同誌「本誌特別取材班」は極めてセンセーショナルに、興味本位の取り あげ方をして、真相には、ほど遠い。総長会食事件のキッカケも、知名度の低い経済雑誌財界展望誌の記事であるから、O記者の〝活躍〟紹介と合わせて、ここに事情を述べよう。

黒幕・政商たち p.220-221 小佐野から大橋富重に伝わった

黒幕・政商たち p.220-221 そして、融資の名目で千三百万円をうけとったといわれる。うち、三百万円は、O記者の手にわたったとか…すでに警察が動いていた。それも、油井「実業界」社長の三和銀行恐喝事件としてである。
黒幕・政商たち p.220-221 そして、融資の名目で千三百万円をうけとったといわれる。うち、三百万円は、O記者の手にわたったとか…すでに警察が動いていた。それも、油井「実業界」社長の三和銀行恐喝事件としてである。

O記者について、「勝利」誌十月号は、「三和銀行猪原専務の日新製鋼副社長転出」事件という、特集記事をまとめて、その中に匿名で〝恐喝〟者として登場させている。この猪原専務転出の背景について、同誌「本誌特別取材班」は極めてセンセーショナルに、興味本位の取り

あげ方をして、真相には、ほど遠い。総長会食事件のキッカケも、知名度の低い経済雑誌財界展望誌の記事であるから、O記者の〝活躍〟紹介と合わせて、ここに事情を述べよう。

「三和銀行へ行ってみろ!」

ここに二人の〝トリ屋〟がいた。やがて二人は成長して、一人は鳥飼毅「財界展望」社長、一人は油井宏之「実業界」社長となった。三鬼陽之助「財界」社長が、東洋経済新報の記者出身というのは例外として、群小経済雑誌の社長は、いわゆるA級経済誌か老舗社の営業出身。

油井社長は、小佐野賢治国際興業社長と同郷のため、経営的には小佐野社長、政治的には中曾根代議士をバックにして、今日の「実業界」誌を築いたと自称している。

大橋事件の主人公、大橋富重興亜建設社長は、事件後にボス児玉氏の不興を招いたらしい。児玉系列の人々は、「児玉さんに見放された大橋はダメ」と、極言する。一方、「児玉さんは吹原から五反田ボーリング場を取りあげて、平本一方にやらせたように、大橋から興亜建設をとりあげて、Oにやらせようとしている」と、語る人もいる。ついでながら、「Oが河井検事のもとに出入りするのは、児玉さんのお使い役のマッチポンプさ」と見る人もいる。

さて、そのような〝情報の渦〟の中で「勝利」誌が活字にした、次のような話が私のもとにもたらされた。

やがて、話は小佐野氏からT氏(注。大橋富重)に伝わった。氏は人も知る財界のアウトロー。つねに黒いウワサの渦中にもまれた人物である。

T氏は、その一部始終をA社の週刊誌記者Oに話し、『三和へ行ってみろ、おもしろいゾ』と、つけ加えた。O記者が取材にいったころあいを見はからってT氏みずから村野氏(注。三和銀行副頭取)に面会を申しこんだ。そして、融資の名目で千三百万円をうけとったといわれる。うち、三百万円は、O記者の手にわたったとか…」

「勝利」誌十月号はこのように書いているが、私も〝情報〟としてこれを知り、すぐ取材に着手した。調べてみると、すでに警察が動いていた。それも、油井「実業界」社長の三和銀行恐喝事件としてである。

三和首脳部は、渡辺会長、上枝頭取、村野副頭取の三人で動かしている。猪原専務の他にも、中井専務も出たし、特別に〝追い出し〟劇を仕組む必要はないし、第一、渡辺忠雄会長の人柄からみて、かつ、その二十年の実績からいって、人事の内紛が起こり得ようハズがない。「財界」三鬼氏の筆によると、「渡辺会長の政治家嫌いは徹底していて、財界関係のパーティでも、政治家が現われるとサッサと帰ってしまう。もう少し何とか…」というほどである。

さて、児玉氏に見放され、〝財界アウトロー〟の孤児となった大橋氏は、千葉県浦安沖に貯木センターを造る、と計画して、前島銘木店に話をもちこんだ。何とか、金を回さねばならぬ

からである。ここで前借を一億円ほどもしたといわれる。一方、三和にも何かといいよったらしいが、三和が相手にしない。

黒幕・政商たち p.222-223 三和の株主総会前にバラまこう

黒幕・政商たち p.222-223 そこで、〝猪原専務追放劇〟を示唆して、油井氏に吹きこんだ。彼は記事を書き、「実業界」六月号に掲載した。猪原氏は小佐野社長にアッセンを頼んだ。「実業界」六月号、公称一万二千部は百五十二万余円で買い取られた。
黒幕・政商たち p.222-223 そこで、〝猪原専務追放劇〟を示唆して、油井氏に吹きこんだ。彼は記事を書き、「実業界」六月号に掲載した。猪原氏は小佐野社長にアッセンを頼んだ。「実業界」六月号、公称一万二千部は百五十二万余円で買い取られた。

さて、児玉氏に見放され、〝財界アウトロー〟の孤児となった大橋氏は、千葉県浦安沖に貯木センターを造る、と計画して、前島銘木店に話をもちこんだ。何とか、金を回さねばならぬ

からである。ここで前借を一億円ほどもしたといわれる。一方、三和にも何かといいよったらしいが、三和が相手にしない。

そこで、〝猪原専務追放劇〟を示唆して、油井氏に吹きこんだ。彼は「猪原が犠牲にされた、可哀想だ。それにしても首脳部は薄情だ」という記事を書き、「実業界」六月号に掲載した。

三和の株主総会前にバラまこうという狙いだ。記事を読んでみると、中味は何もない、説得力に欠ける雑報にすぎない。

彼はそれを第一に、猪原氏に知らせた。三和系列下の日新製鋼副社長ともなれば、三和と協調してやらねば仕事にならない。猪原氏は自分がホメ者で、三人の上司がワル者にされているその記事に、大迷惑である。そして小佐野社長にアッセンを頼んだ。「実業界」六月号、公称一万二千部は百五十二万余円で買い取られた。三和側にいわせると、「すべて小佐野氏が計らってくれたことで三和は関知しない」という。警察は、何とか三和銀行の被害届を取って、事件にしようと考えている、という実情であった。

三和銀行幹部の一人は、私の質問に答え、「千三百万円の件は全く無根です。大橋氏にあってもいないし、例の事件以後、融資は一件もないハズです。第一、銀行がユサブられて千三百万円もヒョイと出ると思いますか」

「鷲見メモ」の内容

警察が、油井事件を調べていた副産物に、「新日本新聞」事件というのがでてきた。大阪で、カネボウに喰いついているこの週刊新聞は、最近しきりと東京、ことに国会筋に入りこもうとしている。近江絹糸の総会に松葉会を導入したのもこの新聞である。猪俣浩三社会党代議士たちが、株を一時期もたされたのも、同代議士によると「自民党へ政治献金した内容が判るから」という、甘言にのせられたのだそうだが、それもこの新聞だ。ここが最近、銀行筋から金を集めて、その集金に歩いているのが、編集長小倉某という。「財展」社の出身、鳥飼社長と仲違いして退社したのも、集金の件だといわれる。「新日本」で福島交通の件を書きなぐって、小針社長らから、二件の名誉毀損の告訴が出され、地検特捜部苅部検事係に入っている。銀行集金の件をいいふらしたのは、O記者だとして、小倉編集長は、「Oはけしからん」と、ふれ歩いている。「財展」誌の鳥飼社長とは不仲だが、「会食」事件の執筆記者村井某とは、昔の同僚のヨシミで交際がある。

こうして、八月二十九日に「財展」誌が発売されるや、翌三十日付アカハタ紙にも、この会食事件がスクープされた。つまり、アカハタ紙は、「財展」誌の発行を待って、同時にスター

トしたのである。九月二日に検事総長が司法記者クラブでの会見で、事実関係を認めて、三日付各紙に大々的に報道されるや、アカハタ紙も三日付で報道、さらに翌四日付は一面、社会面の両面を使うという、大扱いぶりである。

黒幕・政商たち p.224-225 捜査当局でなければ知り得ない

黒幕・政商たち p.224-225 このことは、検事の押収した証拠資料が、アカハタ記者(もしくは関係者)に〝見られている〟ことか、〝見せられている〟ことかの、どちらかを裏付けている。ニュース・ソースが地検特捜部という疑い
黒幕・政商たち p.224-225 このことは、検事の押収した証拠資料が、アカハタ記者(もしくは関係者)に〝見られている〟ことか、〝見せられている〟ことかの、どちらかを裏付けている。ニュース・ソースが地検特捜部という疑い

こうして、八月二十九日に「財展」誌が発売されるや、翌三十日付アカハタ紙にも、この会食事件がスクープされた。つまり、アカハタ紙は、「財展」誌の発行を待って、同時にスター

トしたのである。九月二日に検事総長が司法記者クラブでの会見で、事実関係を認めて、三日付各紙に大々的に報道されるや、アカハタ紙も三日付で報道、さらに翌四日付は一面、社会面の両面を使うという、大扱いぶりである。

「財展」誌の記事を良く読んでみると、内容は、四月十九日の花蝶での三者会食、領収証番号と金額、五人の芸者の名前、という、三つの事実しかなく、他の長文は解説である。

さらに仔細に検討してみると、故意か偶然か、領収証番号の末尾二数字が、「四九」と記されており、本物の「九四」が間違えてある。また、芸者の名前がすべてカタカナという点に、ことさららしい技巧を感ずる。

ところが、アカハタ紙の四日付記事には、どの新聞雑誌にも出ていない、「政治評論家I氏」なる人物が登場し、馬場検事総長の後任問題で、I氏が首相に進言、「同時に井本氏は七月二十六日夜(注。四十二年)、赤坂の料亭『小松』で池田代議士と面談、前後して、同代議士秘書鷲見一雄氏とI氏宅を訪れています」と、具体的に〝就任秘話〟を詳細に述べている。

この〝就任秘話〟の部分は、検察当局が押収した「鷲見メモ」の内容そのものである。鷲見氏が、自分の行動予定表に「日付、時間、井本、鷲見、I氏訪問」と記入しておいたもので、井本総長の意志も都合も問い合わせてはおらず、従って〝予定〟に終わり、事実はなかったという。同記事もI氏の否定談話をのせているが井本総長も否定している。当然である。個人の予

定メモにすぎないからだ。

しかし、関係者の供述を知らずに、このメモだけを見た者が判断すれば、「井本総長が池田秘書鷲見氏とI氏宅を訪問した」過去完了の〝事実〟と誤まるのが自然であり、アカハタ紙の記事は、その通りに書かれている。

このことは、検事の押収した証拠資料が、アカハタ記者(もしくは関係者)に〝見られている〟ことか、〝見せられている〟ことかの、どちらかを裏付けている。しかも、この〝就任秘話〟は、池田議員の三百万円贈収賄被疑事件と関係のないことである。ここに、これらの記事の「謀略性」がひそんでいる点であり、ニュース・ソースが地検特捜部という疑いをかけられる点である。「謀略」と国民の「知る権利」とを抱き合わせることは、許さるべきことではない。

「謀略」は「公正なる報道」ではない。だから、これらの記事のソースは、国家公務員法違反被疑事件として、厳しく追及されねばならない。告発されるべきである。

スクープの同時掲載による、アカハタ紙と「財展」誌の、双方の記事を検討してみると、このような特徴が見出される。

いずれにせよ、両紙誌の記事の内容は、捜査当局でなければ知り得ないことであるのは事実である。そして、そこに、この二つの記事の「謀略」性が発見されるのである。