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正力松太郎の死の後にくるもの p.148-149 ランドの〝黒い噂〟

正力松太郎の死の後にくるもの p.148-149 ランドの経営の内容は、本論からはずれるので、しばらく措こう。ただ、正力の〝私の悲願〟が、黒い手に汚されたのでは、正力のために惜しまねばならない。
正力松太郎の死の後にくるもの p.148-149 ランドの経営の内容は、本論からはずれるので、しばらく措こう。ただ、正力の〝私の悲願〟が、黒い手に汚されたのでは、正力のために惜しまねばならない。

そのように売店の売上げ利益は大きい。だが、ランド内の売店は、東京レストラン経営という、新設の会社に委託され、その会社の監査役に、ランド建設の工事人である、大成建設営業本部第三部長仁科英男氏が加わっていた。また、同様に、ランドと同時期に新設された、清水スポーツサービスセンターという、ランド御用の会社には、ランド営業部長志倉竜男が重役として名を列ねていた。これは何を意味するのであろうか。読売が大成建設に支払った金は、ランドだけで八十億、未払い三十億ともいわれ、その工事人が、ランド御用会社の重役である。

そればかりではない。スポーツ用品、備品の納入についても、〝黒い噂〟は多く、経理部長であった志倉が営業部長に転じ、経理部長には巨人軍の高橋が出向し、常任監査役には、正力亨夫人の父に当る梅渓通虎が当られたというが、新聞が苦しんでまでヒネリ出している金が、特定個人の私腹を肥しているとすれば、読売労組は何とするであろうか。ランドの経営の内容は、本論からはずれるので、しばらく措こう。ただ、正力の〝私の悲願〟が、黒い手に汚されたのでは、正力のために惜しまねばならない。

ランドの後背地、都下南多摩郡稲城村は、首都圏構想によって、住宅都市として開発されることになっている。関東レース高橋副社長が、最近、ランド七十万坪を宅地造成して売却したい旨を語ったといわれるが、読売はランドとの奇妙な関係を明らかにしておかねば、もしもの時は、ソックリ、アカの他人のものとなるのである。

正力〝法皇〟に対する本田〝天皇〟

派閥とボスの集団! 私はかつての毎日新聞を、あえてこう表現せざるを得ない。戦後、正力の読売が驚異的にのびて、それまでの〝朝毎〟二紙対立の時代から、〝朝毎読〟三大紙時代となり、さらに、毎日の〝有楽町敗退〟から〝朝読〟二紙拮抗時代へと変ってしまったのも、時の流れである。毎日記者をして「朝日の〝大朝日意識〟と読売の〝読売精神〟、しかし毎日には何もない!」と嘆ぜしめたのもむべなるかなであろう。

その毎日の体質をみてみよう。

毎日新聞の実態を、端的に示す一つのエピソードがある。

前社長本田親男は、〝本田天皇〟と称せられるほどの、長期独裁政権をほしいままにした人であった。その〝本田天皇〟が〝御巡幸〟の旅に出られ、時間の都合で深夜おそく、宿泊予定の旅館に到着された時のことである。当該温泉地を管内に持つ毎日新聞支局長は、恐懼感激して御入浴を先導申しあげ、自ら〝天皇〟のお背中をお流し申しあげたのであった。時刻は、もはや午前二時をまわっていた。