新宿慕情」カテゴリーアーカイブ

新宿慕情40-41 昭和三十一年にコマ劇場が出来上がると、街が深くなって

旺盛な新宿の活力が、この一帯までを盛り場として侵蝕し、境界線はさらに後退して、職安通りにまで移った。旅館街も…
旺盛な新宿の活力が、この一帯までを盛り場として侵蝕し、境界線はさらに後退して、職安通りにまで移った。旅館街も…

新宿慕情42-43 新宿中央口、武蔵野館が〝知性派の町〟のシンボル

府立五中の制服が背広姿だったこともあって、いっぱしのオトナを気取って新宿の街を歩いていた。
府立五中の制服が背広姿だったこともあって、いっぱしのオトナを気取って新宿の街を歩いていた。

新宿慕情44-45 わが青春の女優たち――明日待子、市川弥生、清洲すみ子…

村山知義率いる新協劇団、薄田研二らの新築地劇団、長岡輝子・金杉淳郎夫妻のテアトル・コメディ
村山知義率いる新協劇団、薄田研二らの新築地劇団、長岡輝子・金杉淳郎夫妻のテアトル・コメディ

新宿慕情46-47 要町通りかいわい 美人喫茶エルザ

美人喫茶のハシリは日比谷交差点の「美松」。戦後は、銀座のプリンスが先か新宿のエルザが先なのか。
美人喫茶のハシリは日比谷交差点の「美松」。戦後は、銀座のプリンスが先か新宿のエルザが先なのか。

新宿慕情48-49 なつかしのエルザ マキさんという中年の女性がいた

私は、むかし気質のエンピツ職人。一業をもって一家をなすべし。ナンデモ屋でみな中途半端な〝すなっく〟を軽蔑する。
私は、むかし気質のエンピツ職人。一業をもって一家をなすべし。ナンデモ屋でみな中途半端な〝すなっく〟を軽蔑する。

新宿慕情52-53 大阪はピンとキリ 吉兆と梅田の地下街

関西風のナンデモ屋がキライだ、と書いた。大阪でナニかを食べようとしたら、私はホテルのレストランしかえらばない。
関西風のナンデモ屋がキライだ、と書いた。大阪でナニかを食べようとしたら、私はホテルのレストランしかえらばない。

新宿慕情54-55 新宿西口はキリばかり――梅田地下街に似ている

テレビで宣伝された、マスプロの同じものを着、同じオモチャで遊び、同じマスプロ食品で育つ、いまの子供たち――恐ろしいことではないか。
テレビで宣伝された、マスプロの同じものを着、同じオモチャで遊び、同じマスプロ食品で育つ、いまの子供たち――恐ろしいことではないか。

新宿慕情56-57 大衆食品の戦後派――スパゲティ、ラーメン、ギョーザ

無批判・大勢順応精神しかない。巣鴨のトゲヌキ地蔵の縁日などの見世物にあった〝箱娘〟みたいなものだ。生まれてすぐミカン箱などに入れて育てる。
無批判・大勢順応精神しかない。巣鴨のトゲヌキ地蔵の縁日などの見世物にあった〝箱娘〟みたいなものだ。生まれてすぐミカン箱などに入れて育てる。

新宿慕情58-59 銘柄の味覚の違い――雪印コンデンスミルクと森永

いま時の連中は、「ハンバーグですよ」と与えられたら、「これがハンバーグだ」と、思いこむように教育されているのだ。
いま時の連中は、「ハンバーグですよ」と与えられたら、「これがハンバーグだ」と、思いこむように教育されているのだ。

新宿慕情60-61 店それぞれの〝味〟という認識がない…こんな連中には…

やはり、私のフランチャイズは、東口、中央口。スパゲティを食べるなら、丸井横通りのミラノ。
やはり、私のフランチャイズは、東口、中央口。スパゲティを食べるなら、丸井横通りのミラノ。

新宿慕情64-65 築地・宮川本廛、京懐石・柿伝。ふりの客とは…

私の食べ歩きは、一店一品種。「いまナニが食べたいか」「ではあの店に行こう」となる。西口と歌舞伎町は、いっぺんこっきりのフリの客相手の浅草仲見世通りと同じ。
私の食べ歩きは、一店一品種。「いまナニが食べたいか」「ではあの店に行こう」となる。西口と歌舞伎町は、いっぺんこっきりのフリの客相手の浅草仲見世通りと同じ。

新宿慕情66-67 かに幸船、蘭、お茶漬け乃志菊、オデン屋利佳、メゾン…

コマ劇場通りとさくら通りの中間にあるオデン屋の利佳は、安藤リカさん。才気煥発の女史で、浅学菲才の私など足許にも寄せつけてもらえない。
コマ劇場通りとさくら通りの中間にあるオデン屋の利佳は、安藤リカさん。才気煥発の女史で、浅学菲才の私など足許にも寄せつけてもらえない。

新宿慕情68-69 しゃぶしゃぶの「牛や」と丸山明宏

隣の五〇三号には、丸山明宏が住んでいた。「黒蜥蜴」がヒットしていたころだった。香料の芳香が立ちこめ美貌が妖しい魅力を呼んで、息苦しいほどだった。
隣の五〇三号には、丸山明宏が住んでいた。「黒蜥蜴」がヒットしていたころだった。香料の芳香が立ちこめ美貌が妖しい魅力を呼んで、息苦しいほどだった。

新宿慕情74-75 牛やから十㍍ほどに、かつ由という店がある

しゃぶしゃぶを、肉だけ二人前も食べる。すると摩訶不思議やナ……翌朝の九時ごろまで、眠気ひとつ覚えず、原稿を書きつづけて、約束通り上げられるのである。
しゃぶしゃぶを、肉だけ二人前も食べる。すると摩訶不思議やナ……翌朝の九時ごろまで、眠気ひとつ覚えず、原稿を書きつづけて、約束通り上げられるのである。