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雑誌『キング』p.121中段 幻兵団の全貌 対米情報を収集

雑誌『キング』昭和25年5月号 p.121 中段 監獄見取り図
雑誌『キング』昭和25年5月号 p.121 中段 監獄見取り図

か』と説明している。日本の現状を徹底的につかむことは、将来、日本をして二度と対ソ侵略に立たしめないためであり、また、元第三軍参謀の細川直知元中佐のいうように、情報の収集は『参謀の立場からいっても、攻防の有無にかかわらず、当然なさるべきこと』である。そのためには、Ⓑを組織して対米情報を収集しようとするのも、ソ連としては極めて当然のことに違いない。

Ⓑの使命遂行は、日本国土内に限られると述べたが、ある場合にはⒶの目的をも兼ねて行わしめることもあり得るであろうし、Ⓐもまた、在ソ間にのみ限らず、将来必要を生じた時に

雑誌『キング』昭和25年5月号 p.121 D氏の投獄された戦犯監獄見取り図
雑誌『キング』昭和25年5月号 p.121 D氏の投獄された戦犯監獄見取り図

雑誌『キング』p.103下段 幻兵団の全貌 アカハタの反ばく

雑誌『キング』昭和25年5月号 p.103 下段
雑誌『キング』昭和25年5月号 p.103 下段

府特別審査局などの関係当局の政府委員を、参議院引揚特別委員会によび、説明を求めるにいたった。

これらの動きに対し、日本共産党機関紙『アカハタ』は、八回ほども連続して大きな紙面をさき、〝ブル新(ブルジョア新聞の略)の反ソデマ〟と反ばくした。こうして読売新聞がスクープした『ソ連抑留日本人のソ連スパイ組織』の問題は、国会にまで持ち込まれる重大問題化するとともに、商業新聞対機関紙の論争をまき起こしたのだった。

問題の焦点は、『ソ連に抑留された日本人が、ソ連の利益のために、在ソ間及び日本帰還後に、諜報行為を働く組織』が有るか、無いか、であって、〝幻兵団〟の有無ではない。読売新聞は、〝幻兵団〟というジャーナリスティックな呼び方をしているが、これはいわゆる〝幻兵団〟であって、〝幻兵団〟と名付けられた組織はないのである。

果たしてそれでは『ソ連スパイ網』があるかどうか。

私はここに『有り』と断言し、アカハタ紙の反ばくぶりを笑うものである。

私は読売新聞社会部記者として、二年半にわたる長期間の調査に、忍耐と努力とを傾けて、この恐るべき事実を握った。今ここに、一切の