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編集長ひとり語り第15回 日の丸と君が代の法制化

編集長ひとり語り第15回 日の丸と君が代の法制化 平成11年(1999)6月12日 画像は三田和夫63歳(前列右側 府立五中・級会1984.06.15)
編集長ひとり語り第15回 日の丸と君が代の法制化 平成11年(1999)6月12日 画像は三田和夫63歳(前列右側 府立五中・級会1984.06.15)

■□■日の丸と君が代の法制化■□■第15回■□■ 平成11年(1999)6月12日

広島の校長の、無残な自殺から、俄かに国旗・国歌の問題がクローズアップされ、政府自民党は、「法制化したい」と、“意外なほど”物分かりの良い態度を見せた。しんぶん・赤旗を見ていると、共産党も“意外にも”「法制化がのぞましい」と反応した。
戦争が終わって50年あまり、歴代自民党政権が“票にならない・金にもならない”国旗と国歌の問題に、ようやく腰をあげた、と私は驚いたものだったし、共産党の法制化賛成も、同時に驚きであった。元来、新憲法の発布につづいて、国旗・国歌問題も、決着をつけるべき問題だった、ハズであった。

その間、国旗と国歌は、時流にもてあそばれ、辛酸をなめてきた。大相撲の千秋楽、君が代の斉唱で、カメラが、優勝力士の口許から、観衆をなめるように映し出す。一体どれほどの人たちが、声を出して唱っているだろうか。ほとんどいないのである。そしてまた、館内アナウンスも、「国歌・君が代」という時もあったし、「国歌」といわない時もあった。最近では、いわないほうが多い感じである。そしてまた、NHKのカメラも、君が代斉唱の顔をパンしなくなった感じである——唱われてもいない現実を、報道しない規制のようなものを感ずるのだ。

政治が堕落し、政治不信が国民の多くを支配しはじめて久しい。そこに自自公の連携で、戦争法のガイドライン、盗聴法の電話傍受と、論戦もなく、審議も尽くされずに、重要な法律が次々と成立してゆく。そこに、国旗国歌法案が、いきなり出てきて、国民の意見を圧殺して、通過しようとしている。自自公という“野合”はいったいナンなんだ!

数さえあれば、民主主義なのか? そこには、私利私欲、党利党略しかない。これが政治だというのか? 自民党の言う国旗国歌の法制化とは、第一条・国旗は日章旗、第二条・国歌は君が代、ということに、おそまきながら、ハカられたかと気付いたのであった。戦争法、盗聴法と同じく、論議不要なのである。前の二つはアメリカの外圧もあろうが、国旗・国歌は、純粋に日本人だけの問題だから、国民投票などで、全国民の総意によって法制化されるもの、と信じて疑っていなかったのである。共産党の法制化賛成も、十分な論議を経てのちに…ということであった。それが、なんの論議もなしの、抜き打ち提出、通過ということだ。

大体からして、自自公とはなんだ。自民・自由・公明の略だろうが、自民党は、脱党、離党していった連中にコビを売り、取りこんだつもり。その自由党とは、小沢一郎の野村沙知代口説きの、野村家訪問のビデオがしきりに流されているが、恥ずかしくないのか。その側近中の側近、中西啓介長男がまた逮捕されたが、今回は辞職しない。今度辞めたら再選の可能性がないからで、まさに私利私欲そのまま。首尾一貫しないことに、平気の平左だ。

「国民精神作興」の必要に迫られているときは、いまほど切なる時はあるまい。国旗・国歌の制定こそ、国民の総意を結集し、全国民がそれなりに納得し、改めて敬意を抱くということが、国民精神作興のキッカケになる。私は信じて、法制化に大きな期待を感じていたのだったが、自自公に裏切られてしまった。

もうこうなると、衆院の解散、総選挙で自自公のアヤシ気な議員どもを、一掃、とまではいかなくとも、せめて、半分に減らしたいものだ。それにしても、野党・民主党があのていたらくでは、どうしようもないなあ…。 平成11年(1999)6月12日

編集長ひとり語り第23回 自自公連立のウソだらけ!

編集長ひとり語り第23回 自自公連立のウソだらけ! 平成11年(1999)8月7日 画像は三田和夫63歳(右端 紫友ペンクラブ創立総会1984.09.13)紫友ペンクラブ:五中出身の著述家団体か?
編集長ひとり語り第23回 自自公連立のウソだらけ! 平成11年(1999)8月7日 画像は三田和夫63歳(右端 紫友ペンクラブ創立総会1984.09.13)紫友ペンクラブ:五中出身の著述家団体か?

■□■自自公連立のウソだらけ!■□■第23回■□■ 平成11年(1999)8月7日

なみはや銀行がまたツブれた。去年だかに再統合したのに、不良債権額でウソをついていたようだ。長銀、日債銀の旧経営者たちが功労金(退職金)を返還しろ、といわれ、返すといいながら返さない。これもウソだ。柳沢金融再生委員長に、「功労があったればこその功労金だ。功労があったのか」といわれながら、私利私欲ばかりで、仕事はウソだらけ、個人的にもウソだらけだから、やりきれない思いで、いっぱいである。

どうして、こうもウソだらけの世紀末になったのか、考えてみたら、やはり、政治家のウソだらけが、国民すべてに“ウソはつかねばソンする”という風潮を、おしひろげていったのである。野村沙知代のケースが良い例である。

自自公連立が、いま注目されている。小渕がウソをつくか、小沢一郎がウソをつくか、はたまた、神崎・浜四津がそうなるか。いずれにせよ、来週には明らかになるだろう。これは、21世紀に持ち越す重大なことだから、国民は注目しつづけておらねばならない。

いまの、衆議院選挙は、小選挙区300人、比例代表200人の、500人定員制である。そのうち比例代表を50人減らして150人にする、という政策で合意して、自民・自由の連立政権がスタートした。小沢が、その約束の履行を小渕に迫っている。それを済ませてから、公明を加えて自自公連立にしろ、というのだ。

公明というのは、ご承知の通り、創価学会・池田大作の“私兵”である。かつて、国立戒壇を作るという狙いで、公明政治連盟が発足した。その後、政教分離とかナントカ、世論の批判を浴びて右往左往して、衆院議員が小沢・新進党に加入し、参院議員と地方議員とが公明として残るとか、理解しにくい離合集散のあげく、現在は、自由党への落ちこぼれを出しながらも、公明党にもどった。

衆院事務局にたずねたら「公明党・改革クラブで、小選挙区20名、比例区32名です」という。国会便覧によれば、小沢辰夫・改革クラブの衆院議員は9名。前記の53名から引くと44名になるが、便覧では公明党42名(2月1日現在)とある。

公明党は、小選挙区で当選できるのは、東京、大阪で各1名ぐらい。あとは、小選挙区の投票総数で比例区議員が当選する。調べてみると、北海道ブロック(2名中)1、東北(6名中)1、北関東(6名中)3、南関東(7名中)4、東京(5名中)3、北陸(4名中)1、東海(8名中)5、近畿(10名中)7、中国(3名中)2、四国(2名中)1、九州(7名中)2、計30名となる。このうち、近畿ブロックの旭道山が無所属に移っている。つまり、公明党の衆院議員の75%は、比例区議員だから定数50減は、公明党がツブれるか小数党に転落することを意味している。

だいたいからして、創価学会の指導者が、レイプで民事裁判を起こされるとは、何事かといいたい。池田の著書の1ページ広告が毎月1回、日刊六大紙に掲載される。数千万円の料金だろう。だから、レイプ裁判が時効で終わったことなど、ほとんど報じられない。これも、新聞の不作為的ウソである。

定数50減をめぐる、自自公連立の行方は、審議入りもせずに公明連立を認めたら、小沢一郎は大ウソつき野郎だ。さて、小渕は自由党を切って、自公連立となったら、これまた超・大ウソつき野郎だ。公明党は、「うちがツブれるから、50減反対だ」といわないのは新聞の不作為的ウソと同じだ。連立なんてことより、池田大作を追放してから、日本の政治に関わってもらいたい。宗教団体の指導者として、適格者だと思っているなら、もう、神埼・浜四津は、人間的大ウソつきだ。 平成11年(1999)8月7日

編集長ひとり語り第33回 男女同一労働同一賃金の理想

編集長ひとり語り第33回 男女同一労働同一賃金の理想 平成11年(1999)10月30日 画像は三田和夫63歳(右から二人目 紫友ペン1985.03.06)
編集長ひとり語り第33回 男女同一労働同一賃金の理想 平成11年(1999)10月30日 画像は三田和夫63歳(右から二人目 紫友ペン1985.03.06)

■□■男女同一労働同一賃金の理想■□■第33回■□■ 平成11年(1999)10月30日

前々週の「ガングロたちへの提言」に対して、東京都の女性から、掲示板へ「やっぱり編集長も女性の性をお金で扱うのをよしとしている男性の一人と感じてしまい」「削除されるかもしれませんが、このような感想を持ったことをあえて書かせて」とご意見が寄せられた。反論を今週のテーマとしたい。

1917年のロシア革命は、封建制の打倒だけではなかった。同時に女性の解放、つまり“性”をも束縛から解き放った。その結果としての、男女同一労働同一賃金制である。私は敗戦の秋、バイカル湖の西方の炭坑で過重労働を強いられていた。そこには、ソ連的共産主義体制が、色濃く満ち満ちていた。

収容所のバリケードの入り口で、ソ連将校たちが捕虜の荷物を調べ、時計、カメラから爪切りまで掠奪していた。その様子を眺めながら、女たちの人垣が出来ていた。口々に騒ぎ笑いながら、私たちを指差したりする。私たち将校団の中に、召集された開業医の軍医がいた。「軍医殿、女たちは指差してナニを決めているんでしょうか」「ウーン、キンヌキ(去勢手術)の順番かな」と。年配の軍医の返事だけに、若い私たちには不安のタネとなって緊張が流れた。

だがその不安は、数日後には大笑いになった。8時間3交代で石炭掘りに出る私たちをあの女たちが襲ってくるのだった。まだ厳冬も経験せず、体力が十分だった捕虜たちは、女たちと性行為をした。その結果判明したことは、初日に指差したのは、「私はあの男がいい」「イヤ私はあっちの男」と、品定めをしていたのだった。大笑いも当然である。

そして兵隊たちは、習い性となった“行為後の支払い”に、軍手や軍足(靴下)などを渡す。戦勝国などとはいえないほど、物資が欠乏していた彼女らは、大喜びだった。やがて彼女らは、このプレゼントが“対価”なのだと気付く。そうなったらすごいインフレである。下着から毛の防寒下着、羊毛軍服まで高騰し、身ぐるみ剥がれてしまった。だが“売春”の習慣がないのだから、兵隊たちの財産がなくなったら、初めのように“性のエンジョイ”に戻った。現実に、働かざる者は食うべからず・男女同一労働同一賃金の原則が確立されていなければ、女の性は金銭で扱われるのである。それは、資本主義では、男のほうが高収入だからである。今のロシアは、すっかり変わったようだが、ソ連時代には“日本の女権論者”たちが随喜の涙を流しそうな事実があったのである。

アメパン、花電車など、死語となった言葉を、私はよみがえらせている。今の一過性流行語よりも、はるかに含蓄があり、戦後の世相を寸言で描破しているから、伝承の価値ありと判断するからだ。花電車というだけで不愉快だと感情移入するのは、私は賛成しかねる。スポーツマンの鍛錬と同じく練習に次ぐ練習で、一人前の芸人になる。タタミの目に立てた札をはさみ取り、徳利の口に乗せた硬貨を吸い取り、あまつさえ、客の注文に応じて、100円玉、10円玉と正確に吐き出す——観客は息をのんで静まり返り、“芸術的演技”に打たれるのだ。客が出した札も硬貨も彼女の収入だ。努力が報いられる高収入である。

水商売に入る女性は、自分の意志で入るのである。「心も身体もつらい状態」などというのは、知的を気取る女性が、おのれの優越感を誇示する言葉にすぎないと、私は思う。女性の弁護士や議員たちこそ、程度の低い女性の啓発のための運動をすべきで、人権発言は無用だと思う。

ガングロ・厚底たちが、単なる模倣に流れて、向上心の片鱗も見られないことへの、皮肉を書いたのだが、お気に召さなかったみたいだ。 平成11年(1999)10月30日