読売梁山泊の記者たち p.308-奥付 あとがき(つづき)

読売梁山泊の記者たち p.308-奥付 あとがき(つづき) 著者略歴 奥付
読売梁山泊の記者たち p.308-奥付 あとがき(つづき) 著者略歴 奥付

さて、時代は大きく変わりつつあり、新聞もまた、変革を迫られつつある。専売店による宅配制度は崩れ始めて、すでに一部では、合売がすすんでいる。読売の一千万部近い日本一の部数は、専売店の宅配制のもとでのみ、可能だったのである。
さる十一月五日から、毎日新聞は題号までを変えた。それは、起死回生策なのであろうが、同時に、

時代の流れでもある。能力のある記者は、他社にトレードされるなど、終身雇用制も崩れ、署名記事の時代が訪れるであろう——そのとき、竹内四郎、原四郎という、二人の社会部長が育てた記者たちが、どんな仕事を、どんなふうに書いていったか、温故知新もまた、意味なしとはしない。

古い新聞記者像を知ることが、明日の記者の仕事に、プラスになることを信じて、書き殴った八百枚に手を入れた。脈絡が切れ、興味もまた、半減したおそれもあろうが、ご寛恕頂きたい。

一冊の単行本が、世に送り出されるまでには、多くの黒子たちの、目に見えない労苦と努力があればこそ、なのである。私も、その黒子代表として、版元の今井國藏編集長に、感謝の意を表したい。

ことに、この書は「正論新聞の二十五年を祝う会」(平成三年十一月二十六日)に、刊行を期したので、時間の制約もきつく、なおさらのことであった。

そして、巻頭の「献詞」の如く、著者の半世紀にも及ぶ、ペン一本の生活の、基本を与えて下さった先哲への、感謝に満ちた、この著のあとがきとする。

平成三年十一月吉日                       三田 和夫

著者略歴
大正10年岩手県に生まれる。昭和18年日大専門部芸術科卒業後、同年読売新聞社入社、社会部に配属。同年11月から22年11月まで兵役のため休職。復員後復職し33年に同社を退社。42年に「正論新聞」を創刊、今日に至る。著書「最後の事件記者」(実業之日本社)「黒幕・政商たち」(日本文華社)「正力松太郎の死のあとに来るもの」(創魂出版)など多数。

読売・梁山泊の記者たち<戦後・新聞風雲録>
1991年12月10日 第1刷印刷
定 価 1,500円(本体1,456円)
著 者 三田和夫
発行者 小林康男
発行所 紀尾井書房
東京都千代田区紀尾井町3-33 郵便番号102
電 話 東京(03)3261-2800
振 替 東京1-13842
印刷所 新日本印刷株式会社
製本所 東京美術紙工事業協同組合
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ISBN 4-7656-1061-6 C 0023 P 1500 E