黒幕・政商たち 投稿一覧 カテゴリー 黒幕・政商たち 黒幕・政商たち Cover 表紙 黒幕・政商たち たちあがる〝事件記者〟 三田和夫黒幕・政商たち inside cover-p.001 見返し黒幕・政商たち jacket flap カバーそで 惹句:暴かれた政・財・官界の著名人たちの仮面!黒幕・政商たち p.002-003 トビラ 黒幕・政商たち――たちあがる事件記者―― 三田和夫 文華ビジネス黒幕・政商たち p.004-005 preface まえがき黒幕・政商たち p.006-007 contents 目次1-2 国家機密を売る商人 米対外援助資金への疑惑 タバコそのボロイ儲け黒幕・政商たち p.008-009 contents 目次3-4 マイホームの夢を食う虫 怪談「流通機構社」のその後黒幕・政商たち p.010-011 contents 目次5-6 九頭竜ダムの解けないナゾ 幻のサイエンス・ランド黒幕・政商たち p.012-013 contents 目次7-8 秘密を売る男の死 夜の紳士録ハイライト黒幕・政商たち p.014-015 contents-chapter 1 目次9ー第1章トビラ 検事総長会食事件 国家機密を売る商人黒幕・政商たち p.016-017 昭和四十年九月。ホテル・ニューオータニ内とした、この安全保障調査会の発起人には岩佐凱実、早川勝、土光敏夫、永野重雄、植村甲午郎、松野頼三、衛藤瀋吉、安西正夫、椎名悦三郎、広岡謙二の十一氏が並んでいる。黒幕・政商たち p.018-019 さる四十年二月十日の衆院予算委で岡田春夫議員の行った「三矢研究」の質問に端を発した、「三矢事件」である。黒幕・政商たち p.020-021 着眼したのが、文芸春秋が、松本清張氏の「防衛官僚論」を掲載しているのだから、清張氏に原稿料を支払ったほか、関係者に取材費が出ているに違いないとニランだのである。黒幕・政商たち p.022-023 松本清張氏の代作者、大竹宗美氏がフロシキ包み一杯の書類をかかえて、文春本社に馳けこんできた。「すぐ、ゼロックスでコピーを取ってくれ。数時間でこの書類を、もとの所に返さねばならないんだ!」黒幕・政商たち p.024-025 読売新聞の堂場記者が、「三矢事件」で、防衛庁の機密文書流失ルートの容疑者になったことは事実である。黒幕・政商たち p.026-027 意外な伏兵があって、敢然と反対運動をまき起しはじめたのである。というのは自民党代議士の千葉三郎氏が、各関係官庁に直接電話をかけて怒鳴り込み出したのであった。黒幕・政商たち p.028-029 それよりも、私は、堂場記者の話の中で「松本清張氏の助手の大竹宗美氏」と、さらに「東京新聞の香原記者」という、二人の人物が明らかにされたことに、より興味を覚えていた。黒幕・政商たち p.030-031 この「朝雲新聞」に社長と編集長との間の内紛があった。経営の乱脈といい、情報をもらすという、双方の主張はさておき、この編集長は、「朝雲」を去って、自衛隊の機関紙といわれる「隊友新聞」に投じた。黒幕・政商たち p.032-033 この時には、有吉久雄防衛研究所長から、「職務上保管していた『秘』の表示のある、『第二次防衛力整備計画事業計画案の概要』を閲覧させ」(読売記事)られた疑いで、朝日新聞篠原宏記者が登場するのである。黒幕・政商たち p.034-035 莫大な対外援助資金が果してその本来の目的意義に、正しく投ぜられているかどうか。被援助国もしくは、米本国に於てすらも〝利権〟化されているのではなかろうか黒幕・政商たち p.036-037 刑事訴追をされている二口氏が帰国して東棉の要職にいるということは、社内では責任が問われていないということで、すなわち、東棉自体の〝会社ぐるみ犯罪〟容疑であるということである。黒幕・政商たち p.038-039 AIDは利権化されている。殆どすべての職員が、〝出稼ぎ人根性〟で、バイ・アメリカンで米国商社、また、援助を受ける現地商社との〝黒い〟関係が生ずる。黒幕・政商たち p.040-041 日本の推すプランが、御破算になってしまった。キルレン氏が陰で糸を引いており、彼の黒幕は、アメリカの石油資本と肥料業者の一群だった。黒幕・政商たち p.042-043 AIDはもちろんのこと、日韓協力にすら〝黒い霧〟はみなぎっていた。果して、現地商社——現地政府への政治献金という、カゲは考えられないことだろうか。黒幕・政商たち p.044-045 韓国政界の〝黒幕〟でもある金鐘泌氏が、日本政界の〝黒幕〟といわれ、右翼の巨頭と称せられる児玉誉士夫氏と会見し、日韓交渉の推進と、そのための右翼の決起とを要望したという。黒幕・政商たち p.046-047 ハゲタカのように、援助や協力の美名のもとに「国際利権」に喰いついていた政治家、実業人、ギャング、そしてその他の職業の著名な人物たち黒幕・政商たち p.048-049 河野の強引な資金造りについては、警察では相当の情報を握っていたのだが、その御馬前で〝討死〟したのが、自分たちの先輩平井学であったからだ。黒幕・政商たち p.050-051 もう一つの手土産は、K・Tのイニシアルが彫りこまれた大きな葉巻箱。そして、最高級のハンドメイド・シガーの一本一本に「カクエイ・タナカ」のネームが入っていた。黒幕・政商たち p.052-053 タバコにおける因縁と歴史と実績と情実とにより、かつ、専売公社幹部OBを役員に加えていることで、完全に「利権化」していることが明らかである。黒幕・政商たち p.054-055 各社の商売のウマ味とその儲け、さらには、予想されるリべートの額などは、全くの手がかりすらつかめないのであった。〝専売一家のカべ〟である。黒幕・政商たち p.056-057 もっと平たくいえば、この、円の二〇〇円は、日本側の工作資金、政治資金にして、どうぞ御自由にお使い下さい、という内容を示してきたのである。黒幕・政商たち p.058-059 「田中角栄幹事長は、キミイ、比島葉は難しいぜ、キミイ、といっただけだった。ワシのこれからの仕事は、米葉利権と政治家の結びつきの究明だ」黒幕・政商たち p.060-061 公社に百%依存して、そのOBを重役に引取っている専業者たちが「数字は公社から」と拒み、公社は「予算的にもルーズ」であれば、もちろん米葉の実態を明らかにはしないであろう。黒幕・政商たち p.062-063 どうして、専売公社は、業者の口を封じ、米葉輸入に関する内容数字を公表しないのか。七葉会の「東亜」が米葉輸入からオロされたのは、何故か。黒幕・政商たち p.064-065 井上日召の身辺の世話をみてあげたが、私は右翼ではない、という氏が、〝黒い葉たばこ〟のウラ側の、利権政治家の名前をあげるのは何時の日か。黒幕・政商たち p.066-067 自民党会館二階の喫茶室。記者らしい二人連れの対話に、私は耳を澄ませていた。確かに、佐藤首相の周辺には、〝黒い噂〟も情報もないのは事実だろう。黒幕・政商たち p.068-069 千葉県を舞台にして、公団が宅地を買付けた。「坪六千円の土地が、ある業者の手を経て、公団に買収されたが、その価格が坪一万一千円。ほぼ倍の値段です」黒幕・政商たち p.070-071 そして、九億ほどの金が、地主以外の連中——公団に売り付けた幽霊会社や、公団をめぐる政治家をはじめとする〝黒幕〟たちのフトコロを肥やしているのである。黒幕・政商たち p.072-073 光明池地区に関して、「一年経過してこれが適地となることは、まず、常識では考えられない」「今後はかかる公団独自で解決できぬ」土地は選ぶなと、鋭く問題点を指摘している。黒幕・政商たち p.074-075 日本住宅公団大阪支所のやった、光明池問題なるもの、この〝元兇〟ともいうべき立場の人物は、今は故人となった河野一郎だというのが、関係者の通説である。黒幕・政商たち p.076-077 志賀義雄が質問。「佐々木環(広布産業社長)が、大阪の東洋殖産岡林社長と、パーチャス社今西啓師社長、東棉豊田不動産部長、同青木課長の四人を告訴した事件。ある官庁、某高官が関係している」黒幕・政商たち p.078-079 「井原政務次官は、私の前で、田中角栄前蔵相(注。日本電建の前社長である)に電話をかけ土地買上げの予算措置まで頼んでくれたほどで、井原、田中議員らへの、政治献金も信じられた」黒幕・政商たち p.080-081 日本電建から東棉へ、すべてが売られた時期、岡林は神港建設を解散させた。〝蒸発〟させたのである。税法上の問題は、すべて「神港建設」にかぶせた。そして、「東洋殖産」を設立して、茨城県に取りかかった黒幕・政商たち p.082-083 赤坂の料亭「金竜」で、児玉誉士夫、吉田裕彦が立ち会い、一派の永光伝、大橋富重らが、居る中で、東棉代理人岡林から、今西、柴山へ一千万円が手渡され黒幕・政商たち p.084-085 昭和四十年。八月十一日付毎日新聞朝刊=福田蔵相の名を使い、不渡り手形を出したゆうれい会社事件を国会で 追及黒幕・政商たち p.086-087 会長福田赳夫、顧問、湊日興証券社長、星野東京ヒルトン副社長、飯塚国学院大学教授、相談役、神谷トヨタ自動車販売社長、社長は、福田一元通産相の息子。ところが、その手形は、全部不渡り。黒幕・政商たち p.088-089 この金を渡す時、福田一議員はクドイほど「これは不渡り手形の買戻し代金ではない。あくまで、親として息子の不始末への寸志です」と、念を押した黒幕・政商たち p.090-091 私は、これを名付けて、「潜入屋」と呼ぶ。新らしい知能暴力団であり、産業スパイと総会屋との職能を取り入れた近代的会社ゴロだ。黒幕・政商たち p.092-093 「第一、もうじき選挙でしょう? 福田赴夫を蹴落すため、田中角栄側から高く買いにきているンですよ」Yの第一声であった。黒幕・政商たち p.094-095 もう一人の代表取締役、金沢政男という人物は、スター商会という、手形のサルべージ屋(パクられた手形をサルべージしてくる商売)の社長である。黒幕・政商たち p.096-097 各県商工会議所などの、小売り側からマキ上げた手形は、「割り引きのため」金沢代表取締役から、大阪の暴力団「柳川組」組長柳川次郎に渡った黒幕・政商たち p.098-099 何千万、何億という金が、使途不明になるということは、あまりにもバカゲているではないか。黒幕・政商たち p.100-101 九頭竜ダムの解けないナゾ 彼は叫ぶ。政局をおおう〝黒い霧〟は……この演説のマクラを聞いただけで、街頭の聴衆は散りはじめる。黒幕・政商たち p.102-103 私は、この電発九頭竜ダムにからむ〝疑惑の数々〟を、機会あるごとに究明して、戦後最大の汚職といわれる事件の真相をキャンペーンした。黒幕・政商たち p.104-105 池田首相夫人満枝さんの入札問題での〝活躍〟を、清水建設の幹部がウッカリ洩らしてしまったという「事実」さえ出ているではないか。黒幕・政商たち p.106-107 そのスッタモンダの最中の三十六年ごろ、緒方は赤坂で地元代議士の福田に会見した。「巌洞鉱山なんて知らない」と開口一番、福田はいった。黒幕・政商たち p.108-109 緒方の訴えをきいて、児玉は「まず調べさせよう。そして可能性があれば引受けてやる」といった。赤坂の千代新に、すぐさま某政治記者と某経済記者が呼びつけられた。政治記者は中曾根康弘をつれてくる黒幕・政商たち p.110-111 「河野が死んで、オレも忙しくなった。ついては例の件は忙しくてやれないから断わるよ」児玉は拓銀の帯封のピン札を一千万円、押しやりながらこう緒方にいった。黒幕・政商たち p.112-113 そして、第三回目に自宅を訪ねた時、緒方と対談中の田中角栄に、「御挨拶だけ……」といいながら、一人の男が部屋に入ってきた。黒幕・政商たち p.114-115 さきにふれた〝オトシ穴〟というのは、河野—児玉—中曾根の線が動いてくれた時、経済記者にいわれて、電発に出した〝水増書類〟のことだ。黒幕・政商たち p.116-117 「緒方という人に会った記憶はない。電発側の話では、緒方という人は、あまりタチの良くない人ということだった」黒幕・政商たち p.118-119 「電発本社の捜索からは、検事として興味ある書類を入手できなかった。池原ダム事件は単発モノで、これで終りだ」(難藤検事の話)黒幕・政商たち p.120-121 政財官界のウラ側で、人々を一喜一憂させた「株式会社サイエンス・ランド」の、創立から解散までの問題点は、明らかにしておかねばならないのだ。黒幕・政商たち p.122-123 「一流社長一〇〇人を総なめにした〝怪物〟」当時としては、この〝怪物〟に記事のピントを合わせるのが、ニュース・ヴァリュウの判断として、当然のことであった。黒幕・政商たち p.124-125 〝怪物〟とは、実にこのドンジリに控えた御喜家氏。氏は評論新社社長といえば聞えはいいが、その前身は「総会屋」黒幕・政商たち p.126-127 「公園とすべく検討中だったが、サイエンス・ランド建設の申し出があり内容が立派だから、県の施設計画は取止めて、ランドの建設を促進する」黒幕・政商たち p.128-129 自民党主流が推す内山候補に対し、実力者河野一郎氏(神奈川三区選出)が、五選反対を旗印に、若宮小太郎氏を対立候補として出馬させた。黒幕・政商たち p.130-131 内山知事は、自分が払下げの申請を行い、自分が関東地方審議会臨事委員として、払下げの審議に参加し、さらに株式会社の設立発起人筆頭となって、特別な契約を結ぼうとする黒幕・政商たち p.132-133 社長となった市村清リコー社長は、「百名に余る財界トップの方々が、一部の妨害にくじけるようなことがあれば、日本財界に取り返しのつかぬ汚点を残すことになります……。私は義憤を感ずるのです」と黒幕・政商たち p.134-135 この辻堂演習地については、接収解除に努力した内山知事の、その努力による自負から、自分の胸先三寸で何とでもなるといった官僚に良くみられる国有財産の私物視が、会社側の判断を狂わせた黒幕・政商たち p.136-137 〝華麗〟なる事業が泥にまみれ、戸川貞雄氏を退け、内山知事を除き、社長予定の山村鉄男氏が去り、ついには主唱者の御喜家氏自身が葬られるという、ハンケチが雑巾に変りゆく過程黒幕・政商たち p.138-139 佐藤栄作をめぐる閨閥黒幕・政商たち p.140-141 〝総会屋〟のボロ儲け仕事という印象を払拭し、まともな財界人のまともな事業という線を打ち出してきたのである。黒幕・政商たち p.142-143 元宮様の会社の手形を、小宮山重四郎候補の実兄、小宮山平和相互銀行頭取の手で割っていた。 つまり、小宮山候補を逮捕すると、社長の元宮様も逮捕せざるを得なくなるのである。黒幕・政商たち p.144-145 一口に三社といわれる、朝日、毎日、読売。そこに、三社ではない、四社だと主張するのが、ランドの設立発起人十四氏の一人、サンケイ社長の水野成夫氏である。黒幕・政商たち p.146-147 この徳川宗敬氏の友人が芝山氏。牧野伸顕伯に見込まれ、吉田茂氏に推挙されて、世耕事件として有名な隠退蔵物資摘発の筋書を組んだ、ディレクターである。黒幕・政商たち p.148-149 三月、自民党県連会長である河野国務相がランド反対を表明した。一方、田川議員もまた、県政記者クラブに現れて会見を行い、ランド反対を一席打ったのである。黒幕・政商たち p.150-151 不退転の決意の見えない議論、そのパンフレットは、いやがらせの反対、反対のための反対、〝政治的解決〟への誘い水の反対、とみられても止むを得まい。黒幕・政商たち p.152-153 住宅公団——土建業者——河野派資金源という、いまわしい予感は、さきの平井学建設省官房長事件を想起するまでもなく、誰の胸にも浮んでくることである。黒幕・政商たち p.154-155 「サイエンス・ランドへの払下げは不可能である旨、法律的な説明をしました。しかし強くは申しませんで、私の老婆心からという意味で、言っただけでした」黒幕・政商たち p.156-157 計画倒産ではないが、計画解散である。もともと、払下げられてもいない国有地を舞台にした、株式出資金名儀の〝恐喝〟にも似た、金集めだったといわざるを得まい黒幕・政商たち p.158-159 昭和四十三年。外交時報九月号=七月二十二日付中華週報によれば、麻薬は中共第一の外貨稼ぎであり、毎年八億ドルのボロイ商売である。黒幕・政商たち p.160-161 警部が、若いマッサージ師と、日光で心中した事件があった。これが、麻薬のヴェテラン刑事で、結果は〝中年男の愛欲行〟とされてしまったのだが……黒幕・政商たち p.162-163 松尾警部心中事件の背景を求めて、阪神の〝極道〟たちの間を歩き廻った私は、「松尾事件は、モチロン麻薬があるのさ」と、彼らの間の、無責任な風聞をきき集めてきた。黒幕・政商たち p.164-165 この五八条が問題なのである。警察官には許されていない、取締官だけの特権である。ということが、この両者の宿命的対立を招いているのである。黒幕・政商たち p.166-167 この調書の狙いは、所長以下の三取締官の、鈴木との共謀振り(取締官の起訴事実の麻薬密輸、収賄)と、検察庁へ運動の阻止にあると思われる。黒幕・政商たち p.168-169 着任早々に、インフォーマーのお繕立てにのって、所長自ら〝天理市居住の医師〟に扮して、密輸中国人の手先と接触した。黒幕・政商たち p.170-171 近藤—阿知波—鈴木のトリオは、王漢勝のすぐ下のクラスの欧金奢を逮捕した。五島会の内偵の結果、洪盛貿易公司の李忠信逮捕へと勇み立ったのである。黒幕・政商たち p.172-173 国家公務員の捜査費用で、彼らと対等に、ワリカン(もしくは、オゴられれば、次回オゴリ返す)で、付き合えるであろうか。これらが、すべて「贈収賄」事件として立件されたのである黒幕・政商たち p.174-175 鈴木は県警に逮捕され、県警の思う通りの調書を取らせ、十月には一般病院に移され、翌年四月に自殺して果てたのである。私がピンときたというのは、〝鈴木の謀殺〟ではないか、ということである。黒幕・政商たち p.176-177 梅毒と並び称されながらも、その背後関係をみる時「麻薬」のもつ、国際的、思想的、政治的な謀略性は、「梅毒」の比ではないことは、明らかである。黒幕・政商たち p.178-179 満州帝国の武部総務長官は、皇帝溥儀と帝国再建の方途とを考え、満州国が保有していた莫大な量の阿片をその資金とすること考えついた。黒幕・政商たち p.180-181 李金水、李秀峰、王漢勝らの、〝在日麻薬王〟が相次いで検挙され、ヤミ麻薬が品薄になった当時、横浜の一部で街頭まで中毒者があふれ出したことがあった。黒幕・政商たち p.182-183 李金水、李秀峰、王漢勝たちの、上部機構。取締当局はそれを追及した。そして、背後に、ハッキリと中共という、「国家の意思」を認めたのであった。黒幕・政商たち p.184-185 もし、この沈士秋を捕えていれば、名前だけは浮んでおりながら、実体不明だった、麻薬と中共の関係交点にいる、李士華などの重要人物の解明ができたのであった。黒幕・政商たち p.186-187 第9章 夜の〝紳士録〟ハイライト これら知能暴力団は犯罪が起ってから捜査するやり方では抑制しきれるものではないので、被害届を出したがらない大会社、市民の暴力追放への関心を呼びさます黒幕・政商たち p.188-189 吉川清氏が社長として乗りこんできた。吉川氏は、〝政界の黒幕〟といわれる児玉誉士夫、警察庁指定広域暴力団「錦政会」の稲川角二両氏に〝調停〟を依頼した黒幕・政商たち p.190-191 日本観光新聞木村伍六社長(恐喝で起訴ずみ)のオイ木村政彦が経営する「日刊観光」紙広告代理店で、資生堂総務課員山本一郎が(仮名)百万円を横領黒幕・政商たち p.192-193 大正製薬、資生堂、いずれもマスコミの大スポンサーであるため、「広告出稿停止」などのポーズで新聞雑誌をおどし、化粧品、医薬品業界の醜い内幕は、いままでほとんど報道されていない黒幕・政商たち p.194-195 素ッパ抜きとお色気で有名な日刊観光が、五月二十二日付の社会面全面を埋めて、「東洋棉花のサギ・政治献金、疑獄化するか」と、派手にやっつけているのである黒幕・政商たち p.196-197 後に判明したところによると、出先記者と二十万円を山分けしたのち、B氏は自身で出かけていって、さらに東棉総務部長から五十万円をもらってきた。黒幕・政商たち p.198-199 初期には、〝進んで会って材料を出した〟志賀氏が、〝私も手を引く〟と電話し、会うのを避けている。志賀氏の「獄中十八年」の節操を信ずればこそ、〝奇怪な行動〟といわざるを得ない黒幕・政商たち p.200-201 「中央観光」事件とは、増田甲子七、川島正次郎、進藤一馬各代議士らが関係、中小企業者から五億近い金を集め、長銀、東海銀からも二億五千万円の融資をうけていた事件黒幕・政商たち p.202-203 架空の理事会が開かれ迫水久常理事が議長として、小島徳司氏を理事長に選任するという奇怪な事実もあったのち小島氏は三百万円を払った黒幕・政商たち p.204-205 川越会長の依頼で石原登氏ら二人が仲介して、増田甲子七氏が、東海銀行からの融資を斡旋した。この前後に一千万円が政治献金として小島社長からひそかに送られた黒幕・政商たち p.206-207 「中央観光の場合、サギ倒産の疑いが極めて強い。二億円以上の使途不明金がある」という。小島社長をめぐる黒い噂はまだある。黒幕・政商たち p.208-209 毎日の写真は、児玉誉士夫氏から入っているが、朝日は児玉氏は入らず、週刊新潮も「詐欺常習者にいつもの顔ぶれ」と題して掲載したが児玉氏がカットされていた。黒幕・政商たち p.210-211 光明池だけでも田中角栄は十億円もうけた。田中—小佐野のコンビは、このほかに七カ所の土地売買で巨額の利益をあげた。この手口を見ていたのが田中彰治黒幕・政商たち p.212-213 吹原・森脇事件の公判廷で児玉誉士夫氏が「森脇被告におどかされた」と申し立てた事件。〝児玉と河井次席検事のデッチあげ〟は、朝日だけ書いてある。黒幕・政商たち p.214-215 大熊昇検事。特捜部のエースと呼ばれ、河井次席検事の〝秘蔵ッ子〟である。特捜部の情報(内偵)担当で、重要な〝事件〟は主としてこの人に割り当てられる。黒幕・政商たち p.216-217 児玉氏が河井次席検事と親しい——という〝噂〟は田中彰治〝黒い霧〟事件以後、特に流れはじめた。吹原、森脇、大橋富重、東京大証の各事件など黒幕・政商たち p.218-219 検察内部の派閥抗争——岸本派の井本総長とその支持者池田代議士を葬らんとする、馬場派の河井次席検事と特捜部〝有志検事〟らの権力ろう断をさすものだ。黒幕・政商たち p.220-221 そして、融資の名目で千三百万円をうけとったといわれる。うち、三百万円は、O記者の手にわたったとか…すでに警察が動いていた。それも、油井「実業界」社長の三和銀行恐喝事件としてである。黒幕・政商たち p.222-223 そこで、〝猪原専務追放劇〟を示唆して、油井氏に吹きこんだ。彼は記事を書き、「実業界」六月号に掲載した。猪原氏は小佐野社長にアッセンを頼んだ。「実業界」六月号、公称一万二千部は百五十二万余円で買い取られた。黒幕・政商たち p.224-225 このことは、検事の押収した証拠資料が、アカハタ記者(もしくは関係者)に〝見られている〟ことか、〝見せられている〟ことかの、どちらかを裏付けている。ニュース・ソースが地検特捜部という疑い黒幕・政商たち p.226-227 岸本派。当時の東京高検検事長、岸本義広氏を頂点とする一派だ。塩野季彦司法大臣からつづく、思想検事の流れである。馬場派。小原直司法大臣からつづく、経済検事の系統で、当時の法務事務次官、馬場義続氏を統領としていた。黒幕・政商たち p.228-229 馬場次官は、研修所長官だった河井検事を法務省刑事課長という〝陽のあたる場所〟にもどした。岸本検事長の指揮下にある、東京地検へは入れなかった。黒幕・政商たち p.230-231 岸本検事長直接指揮の、高検検事たちは、馬場派の河井検事を容疑者として、立松、三田両被疑者の調書にその名を記録し、逮捕状を請求して、河井検事を逮捕しようとした。黒幕・政商たち p.232-233 立松記者は、河井検事の自宅の電話番号を回した。そして、翌日の大〝誤報〟スクープ。あの記事のネタモトは、当時の河井信太郎刑事課長であった。黒幕・政商たち p.234-235 しかし私は、立松記者不当逮捕事件を想い出す時、河井検事が、「正義派検事」といわれるのに抵抗を感ずるのである。黒幕・政商たち p.236-237 「検察の押収資料が日共機関紙アカハタに流れ、検察最高会議の内容が洩れるのは、重大問題だ」という、同氏の主張は「正論」である。黒幕・政商たち p.238-239 あとがき 本篇に収録したものは、「現代の眼」「二十世紀」「軍事研究」「自由世界」「財界」「株主手帳」「経営経済」などの、月刊諸雑誌に、その折々に書いたものに、手を入れたものである。黒幕・政商たち p.240-奥付 あとがき(つづき) 「文華新書」刊行のことば 奥付黒幕・政商たち p.242-243 文華新書・広告黒幕・政商たち inside cover-p.244 見返し カバーそで:文華新書広告黒幕・政商たち back cover 裏表紙 著者紹介 推薦コメント 読売新聞編集局長・原四郎 作家・菊村到黒幕・政商たち spine 背 黒幕・政商たち たちあがる〝事件記者〟 三田和夫