これらの課の中にそれぞれ三—四の班( Unit )があって担任の業務をしていた。当時のG—2も大体これに準じた内容をもっていたと思えば間違いはない。例えばこの秘密情報課という
のは旧CISであるように。
板橋にあるのはCICとCISの実行機関である。また王子のTIDは技術部隊で、Technical Intelligence Div. の略である。日本陸軍のガス学校だった習志野学校は、米軍の諜報学校(
Intelligence School )になっていて、いまは少佐に進級して帰米した、舞鶴第五班の坂本(サカモト)大尉は、舞鶴の任務が終ってからここで教官をしていた。
その他の機関では連邦検察局と呼ばれるFBI(
Federal Bureau of Investigation )、犯罪捜査のCID( Criminal Investigation Div. )がある。FBIとはいわば特高で、禁酒法時代に、酒の密造密輸、脱税防止という税警隊として出発し、現在では主として反逆罪関係をやっているが、これもまたそれ自身の諜報謀略網を持っている。CIDは一般犯罪関係の警察機関で、例の銀行ギャング、パリエル事件などでお馴染みである。Provost Marshall という憲兵司令官の下で、制服部隊がMPで、私服がCIDである。
これまでは主として陸軍関係であったが、海、空軍ともにG—2に相当するA—2(
AFFE-2)、NIC( Navy Intelligence Command
)とがあり、それぞれ活動している。