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黒幕・政商たち p.014-015 目次 終章 第1章トビラ

黒幕・政商たち p.014-015 contents-chapter 1 目次9ー第1章トビラ 検事総長会食事件 国家機密を売る商人
黒幕・政商たち p.014-015 contents-chapter 1 目次9ー第1章トビラ 検事総長会食事件 国家機密を売る商人

終章 検事総長会食事件

真の支配者は誰か?

〝児玉アレルギー〟の震源地

サル芝居に踊る被告・森脇

〝イケショウ〟の挑戦状

「三和銀行へ行ってみろ!」

「鷲見メモ」の内容

検察内部の深刻な対立

逮捕されたかもしれない河井検事

崩れ落ちた〝最後のトリデ〟

あとがき

第1章 国家機密を売る商人

昭和四十三年。十月十五日付読売新聞朝刊=防衛庁は十四日午後、秘密保護と綱紀粛正に関する委員会(委員長・小幡事務次官)を開き、「秘密保全に関する訓令」および「防衛秘密の保護に関する訓令」の改定大綱をきめた。改定のねらいは、いままでの訓令に規定がなかった〝きびしい秘密漏えい防止策〟を盛りこむことにある。防衛庁は、来年四月実施を目標に、早急に条文化する方針である。

黒幕・政商たち p.026-027 堂場は三矢事件に関係したアカだ

黒幕・政商たち p.026-027 意外な伏兵があって、敢然と反対運動をまき起しはじめたのである。というのは自民党代議士の千葉三郎氏が、各関係官庁に直接電話をかけて怒鳴り込み出したのであった。
黒幕・政商たち p.026-027 意外な伏兵があって、敢然と反対運動をまき起しはじめたのである。というのは自民党代議士の千葉三郎氏が、各関係官庁に直接電話をかけて怒鳴り込み出したのであった。

堂場記者の、この話の内容で明らかになったように、捜査当局は文春の自発的提供による「防衛官僚論」関係の支払伝票によって、文春の協力者に、鋭い容疑の眼を注いでいたのである。言葉をかえれば、文春は、国家権力の前に縮み上って、自社の協力者を、官憲に売り渡したのである。さらにいえば、松本清張氏は、自分の著述の協力者を、全くかばおうとしなかったのである。

 私は、堂場記者を、かつての同僚として十分に知っているだけに、この話をそのままに評価している。すなわち、堂場記者の手を通じて、防衛庁の機密文書が流失したとか、さきごろの外務省員のように、いくばくかの金銭にかえるため、文書を持ち出したとかは思わない。

 このようなウラ話を秘めたまま、当局は、防衛庁、警視庁ともに、捜査を打ちきって、さきのような処分の発表を行った。

影の主役に新聞記者

安全保障調査会の伏兵

さて、これらの処分が終った時期に、各方面に発送されてきたのが、前述の「安全保障調査会」の、『本会設立の趣旨に御理解をいただき、またその事業内容に御納得がいただけましたら、御入会下さいますよう、御願いいたします』という、案内状であった。

だが、防衛庁をはじめ、外務省、内閣調査室など、然るべき官庁の幹部と、十分な了解を持って、その資料を活用する段取りをつけていた「豊富な情報、調査網」のハズの、この「安保調査会」に、意外な伏兵があって、敢然と反対運動をまき起しはじめたのである。というのは自民党代議士の千葉三郎氏が、各関係官庁に直接電話をかけて怒鳴り込み出したのであった。

それは、同会設立趣意書の、筆者傍点部分、「優れた研究スタッフ」というのに目されているのが、読売記者で元防衛庁詰めであり、軍事評論家としても、一家言の地位を占めつつある堂場肇氏だと、千葉代議士は指摘するのである。

千葉代議士は、「堂場は三矢事件にも関係したアカだ。そんな奴に、各官庁の機密資料を出したら、それこそ、みんなツツ抜けぢゃないか」と、各役所の事務当局に、自ら電話をかけてきたという。(堂場氏の話)

最後の事件記者 p.246-247 ニセ信者になって交成会に潜入

最後の事件記者 p.246-247 『何いってるンだ。通産省ほど社会部ダネの多い役所はないのに、今までの奴らは、保養のつもりで書きやがらねえ。お前がいって、書けるということをみせてやれ』と、全く話が変になってしまった。
最後の事件記者 p.246-247 『何いってるンだ。通産省ほど社会部ダネの多い役所はないのに、今までの奴らは、保養のつもりで書きやがらねえ。お前がいって、書けるということをみせてやれ』と、全く話が変になってしまった。

立正交成会潜入記

立正交成会へスパイ

警察の主任になったり、旅館の番頭などと、芝居心をたのしませながら仕事をしているうちに、三十一年になるとまもなく、警視庁クラブを中心とした、立正交成会とのキャンペーンがはじまってきた。

その前年の夏に、警視庁に丸三年にもなったので、そろそろ卒業させてもらって、防衛庁へ行きたいなと考えていた。「生きかえる参謀本部」と、「朝目が覚めたらこうなっていた—武装地帯」という、二つの再軍備をテーマにした続きものを、警視庁クラブにいながらやったので、どうもこれからは防衛庁へ行って、軍事評論でもやったら面白そうだと思いはじめたのであった。

そのころ、名社会部長の名をほしいままにした原部長が、編集総務になって、景山部長が新任

された。それに伴って人事異動があるというので、チャンスと思っていると、一日部長に呼ばれた。アキの口は防衛庁と通産省しかない。病気上りででてきていた先輩のO記者が、通産省へ行きたがっていたので、これはウマイと考えた。

『防衛庁と通産省があいてるのだが、警視庁は卒業させてやるから、どちらがいい』

という部長の話だった。えらばせてくれるなどとは、何と民主的な部長だと、感激しながら答えた。

『通産省は希望者もいることですから、ボクは防衛庁に……』

といいかけたら、とたんに、

『何いってるンだ。通産省ほど社会部ダネの多い役所はないのに、今までの奴らは、保養のつもりで書きやがらねえ。お前がいって、書けるということをみせてやれ』

と、全く話が変になってしまった。そればかりではない。

『お前のようなズボラを、一人のクラブへ出すのは、虎を野に放つのと同じだという意見もあるんだ。チャンと出勤しろよ。従来の奴が書けないクラブで、お前に書かせようというのだから』

とオマケまでついてしまった。こうして三十年の夏から、通産、農林両省のカケ持ちをやって

いたところに、キャンペーンに召集がかかってきた。ヒマで困っていたので、よろこび勇んで、はせ参ずると、ニセ信者になって、交成会に潜入して来いというのだ。

赤い広場ー霞ヶ関 p.214-215 スパイは奇異なものではない

赤い広場ー霞ヶ関 p.214-215 What works behind the negotiations between Japan and the Soviet Union---is it Siberian Organizer, Freemasonry, or the Cannon Unit of CIA, or even the British Secret Intelligence Service?
赤い広場ー霞ヶ関 p.214-215 What works behind the negotiations between Japan and the Soviet Union—is it Siberian Organizer, Freemasonry, or the Cannon Unit of CIA, or even the British Secret Intelligence Service?

〝奇怪な三人〟を調べたときの、アナリストの忠告と、地下の高級レストランで別れた〝ナ

ゾの女性〟の表情とを想い浮べて、私ももうここらで筆を擱かねばならない。

日ソ交渉のかげに蠢くもの——それは果して、かいらいを操るシベリヤ・オルグか、フリー・メーソンか、或はまた、元キャノン機関シャタック氏を先頭とする米CIAか、或はさらにまた、レッドマン氏に代表される英国秘密機関か?

いまや、われわれの首都東京は、諜報と謀略の渦巻く、トオキョオ租界と化してしまった。

スパイ事件が起ると、世の知識人たちは必らず『日本にスパイされるような、機密があるのかい?』と、皮肉まじりにいわれる。そしてまた、各主管大臣たちは、国会で『秘密はありません』と、答弁する。

確かに、現在の日本には、法律に定めた国家機密はない。MSA兵器の秘密保護法、駐留軍秘密の刑事特別法の両法が、指定する秘密は要するに、アメリカの秘密であって、日本の秘密ではない。

では、一体ラストヴォロフ氏は、日本から何をスパイしていたか? 個人的にいえば、日暮氏を通じては、欧米局ロシヤ課に集まる、各地の大、公使館からのソ連情報、駐在国のソ連観や、大、公使などの情勢報告書、および本省のそれに対する見解などがある。また、内調に集る元国警や、検察庁、警視庁、防衛庁など治安機関をはじめ、労働省、運輸省、文部省など、一般行政官庁からの国策決定の各種治安情報文書をみることができたので、それらだろうという。

庄司氏は、駐留軍のキャンプ設置場所、宿舍の設備など、駐留軍との外交接衝やら、米軍と防衛庁との連絡事項が担当だったので、同様それらがラ氏の役に立ったとみられる。

これでも分る通り、また私が第一集「迎えにきたジープ」から、全篇を通して主張してきた通り、スパイとは決して奇異なものではないということ。つまり、大使館に忍びこんで、金庫から機密書類を盗む、といったような、大時代的なものではない。

どんな片々たる、頭も尻尾もない話でも、それが、組織的に処理される限り、重大な事実を示す〝情報〟であり、この情報を、意識的、系統的、に集めることが「諜報」であるということである。

謀略もまた、鉄橋をダイナマイトで破壊したりすることばかりではない。また、そんなのは

下の下たるものであるが、やはり、謀略というと、大時代的な感覚しかなくて、軽べつ感が先に立つ。

しかし、ラ氏の亡命とか、シベリヤ・オルグの活躍とか、久原翁の引出しとか、すべてこのように、ある目的をもって、所期の事実を、自然に作り出すのが「謀略」である。