事件記者と犯罪の間
その名は悪徳記者
特ダネこそいのち
権力への抵抗
根っからの社会部記者
最後の事件記者
我が事敗れたり
共産党はお断り
あこがれの新聞記者
恵まれた再出発
サツ廻り記者
私の名はソ連スバイ!
幻兵団物語
書かれざる特種
特ダネ記者と取材
「東京租界」
スパイは殺される
立正佼成会潜入記
新聞記者というピエロ
あとがき
事件記者と犯罪の間
その名は悪徳記者
特ダネこそいのち
権力への抵抗
根っからの社会部記者
最後の事件記者
我が事敗れたり
共産党はお断り
あこがれの新聞記者
恵まれた再出発
サツ廻り記者
私の名はソ連スバイ!
幻兵団物語
書かれざる特種
特ダネ記者と取材
「東京租界」
スパイは殺される
立正佼成会潜入記
新聞記者というピエロ
あとがき
新宿慕情
さる七月から、二十回にわたって、正論新聞紙上に連載してきた著者のエッセイ。その四十年以上もの〈新宿〉との関わり合いを語りながら、軽い筆致でたのしく、人生を説いている。
狂言まわしに、新宿の街と店と人物とを登場させながらも、その随想は、著者の〈社会部記者魂〉ともいうべき、頑固な人生観を述べていて、飽きさせない。
ことに、オカマや半陰陽などという、下品になり勝ちな素材を、ユーモラスに描き切っているのは、その健康な精神の故、であろう。
洋食屋の美人
旧制中学二年から
私と新宿とのかかわり合いはもう、ずいぶんになる。旧制中学の二年生ごろのこと、つまり昭和十年前後からである。家が池袋と目白の間の、婦人の友社の付近から、世田谷の代田に引っ越して、小田急線を利用しはじめたのだ。
当時の小田急は、せいぜい二両連結で、現在の南新宿駅は、千駄ヶ谷新田、世田谷代田駅は世田谷中原という名前だった。その世田谷中原駅を利用していた。次の豪徳寺駅との間に、梅ヶ丘という新駅ができて、タンボの真ン中の寂しい駅だったことを思うと、まさに隔世の感がある。
中学が、省線・巣鴨駅にあったから、新宿駅で乗り換える。定期券があるから、自然、新宿の街にも出る、ということになる。
いま、日曜日には歩行者天国になる、東口の二幸前から、伊勢丹までの通りに、都電が走っていたことなど、もう、すっかり、記憶から薄れてしまっているが、変わらないのは、駅前にデンと坐っている二幸と、三丁目角の伊勢丹であろう。